アーティフィシャルフラワーとは?造花との違い・種類・言い換えを専門店が解説

マルシェに出店していると、リースの花をそっと触ったお客さまが「えっ、これ造花なんですか!?」と目を丸くする瞬間があります。お花でござるにとって、いちばんうれしい驚かれ方です。
その花の正体が、アーティフィシャルフラワー。ひとことで言うと品質と表現力にとことんこだわった高級造花です。この記事では、アーティフィシャルフラワーを毎日扱うリース専門店のお花でござるが、普通の造花との違い、プリザーブドフラワーやドライフラワーとの比較、造花の種類や言い換えまで解説します。
目次
アーティフィシャルフラワーとは|品質にこだわった高級造花
アーティフィシャルフラワー(artificial flower)は、直訳すると「人工の花」。つまり広い意味では造花の一種です。ただ、日本の花業界では、生花に迫る品質と表現力を持つ高級造花を指す言葉として使われています。100円ショップの造花とプロ仕様のアーティフィシャルフラワーが同じ棚に並ばないのは、この品質の差があるからです。
めざすのは、花のいちばん美しい瞬間
意外に思われるかもしれませんが、アーティフィシャルフラワーは生花をそっくり真似ようとして作られていません。みずみずしさだけを追いかけると、かえってチープな仕上がりになってしまうからです。花びらの巻き、色の重なり、葉の質感。生花のいちばん美しい瞬間を切り取って、それを長く保てる形に再構成したものがアーティフィシャルフラワーです。
素材は何でできている?
主な素材はポリエステルやポリエチレン、樹脂です。花びらは布を染めて成形し、茎にはワイヤーが入っているので、角度や向きを自由にアレンジできます。かつて造花はシルク(絹)で作られることが多く、その名残で「シルクフラワー」という別名もありますが、現在はポリエステルのほうが美しく丈夫に作れるため、シルクはほとんど使われていません。素材の進化は今も続いていて、うちのマルシェで驚かれる回数も、年々増えている実感があります。
造花とは|言葉の意味と指す範囲
造花とは、布や樹脂などで人工的に作られた花の総称です。読み方は「ぞうか」。生花(せいか・なまばな)の対義語にあたります。
つまり関係はシンプルで、造花という大きなくくりの中に、高品質なアーティフィシャルフラワーが含まれます。「造花」と聞くと安っぽい印象を持つ方もいますが、それは量産品のイメージ。同じ造花でも、品質の幅はとても広いのです。
造花の言い換え・別名一覧
造花にはたくさんの呼び名があります。呼び方が変わると印象も変わるので、一覧にまとめました。
| 言い換え・別名 | 意味合い |
|---|---|
| アーティフィシャルフラワー | 高品質・プロ仕様の造花。花業界での正式な呼び名 |
| シルクフラワー | 絹で作られていた時代の名残の呼び名。現在も高級造花を指す |
| フェイクフラワー | インテリア用語でよく使われるカジュアルな呼び名 |
| イミテーションフラワー | 「模造の花」の意味。やや古い言い方 |
| アートフラワー | 手工芸として作られる布花。日本の伝統的な呼び名 |
英語では artificial flower、カジュアルには fake flower と言います。海外のインテリア写真を探すなら「artificial flower arrangement」で検索すると、本場のディスプレイがたくさん見つかります。
アーティフィシャルフラワーと造花の違い
あらためて、普通の造花とアーティフィシャルフラワーの違いを整理します。分かれ目は品質です。
量産品の造花は、コストを優先して作られます。花びらの成形が単純で、色も単色のべた塗りが多く、近くで見ると人工物だとすぐ分かります。いっぽうアーティフィシャルフラワーは、花びら1枚ごとの染色や成形に手がかかっていて、色の濃淡やグラデーション、花芯の作りまで緻密。触ってようやく生花でないと分かる、という水準のものも珍しくありません。
お花でござるがリースにアーティフィシャルフラワーだけを使うのも、この差が理由です。玄関に何年も飾るものだから、近くで見られても恥ずかしくない花を選んでいます。
プリザーブドフラワー・ドライフラワーとの違い【比較表】
アーティフィシャルフラワーとよく混同されるのが、プリザーブドフラワーとドライフラワーです。決定的な違いは元が生花かどうか。プリザーブドフラワーとドライフラワーは本物の花を加工したもので、アーティフィシャルフラワーは最初から人工素材で作られています。
| アーティフィシャルフラワー | プリザーブドフラワー | ドライフラワー | |
|---|---|---|---|
| 原料 | ポリエステル等の人工素材 | 生花(特殊液で加工) | 生花(乾燥) |
| 見た目 | 生花のような華やかさ | みずみずしい質感 | アンティーク調 |
| 寿命の目安 | 数年 | 1〜2年程度 | 数か月〜1年程度 |
| 水やり | 不要 | 不要 | 不要 |
| 扱いやすさ | 丈夫で型崩れしにくい | 繊細で花びらが割れやすい | 崩れやすく湿気に弱い |
| 屋外・玄関ドア | 向いている | 不向き | 不向き |
プリザーブドフラワーは生花ならではの質感が魅力ですが、とても繊細で、湿気や直射日光に弱い性質があります。屋外に面した玄関ドアに飾るリースなら、丈夫なアーティフィシャルフラワーに分があります。逆に、室内でガラスドームに入れて楽しむならプリザーブドフラワーも素敵な選択です。
造花の種類
ひとくちに造花と言っても、種類の分け方はいくつかあります。
品質別では、量産品の造花と、高品質なアーティフィシャルフラワーの2つ。素材別では、主流のポリエステル製のほか、ポリエチレン製、樹脂製、伝統的な布花(アートフラワー)があります。形状別なら、1本ずつの単品花材、束になったブーケタイプ、壁やドアに飾るリース・スワッグ、枝物やグリーンといった具合です。
用途で選ぶなら、玄関やお店のディスプレイには丈夫なアーティフィシャルフラワー、結婚式のブーケや記念のギフトには思い出ごと長く残せる高品質なもの、と考えると選びやすくなります。
ちなみに、天然素材でできた造花もあります。ソラという植物の茎から作る「ソラフラワー」がその代表で、詳しくはソラフラワーの解説記事で紹介しています。
アーティフィシャルフラワーのメリット・デメリット
アーティフィシャルフラワーのいちばんのメリットは、手入れなしで長く美しさが続くこと。水やりも水替えも不要で、枯れません。花粉が出ないのでアレルギーの心配がなく、病院へのお見舞いや飲食店のディスプレイにも使えます。ワイヤー入りで形を自由に整えられるのも、生花にはない強みです。
いっぽうで、正直にデメリットもお伝えします。まず、香りがありません。花の香りごと楽しみたい方には物足りないはずです。それから、直射日光に長く当たると少しずつ色があせます。生花の「いまだけ咲いている」という儚さが好きな方には、そもそも造花全般が向きません。そこは生花とアーティフィシャルフラワー、それぞれの良さです。
リース専門店がアーティフィシャルフラワーを選ぶ理由
お花でござるは、リースの花材にアーティフィシャルフラワーだけを使っています。理由は、リースという飾り方との相性が抜群だからです。
リースは玄関ドアに掛けるもの。屋外の風や日差しにさらされる場所です。生花やプリザーブドフラワーでは数日から数週間しかもちませんが、アーティフィシャルフラワーなら年単位で飾れます。リースの輪には「永遠の幸せ」という意味があるので、枯れない花との組み合わせは意味の面でもぴったり。リースの意味についてはリースの意味の解説記事で詳しく書いています。
マルシェでは「造花って言うと安っぽく聞こえるけど、これは全然違うね」という声を何度もいただきました。手に取ってもらえれば伝わる品質だと信じているので、お近くで出店があればぜひ触りに来てください。
アーティフィシャルフラワーについてよくある質問
造花とは何ですか?
造花とは、布や樹脂などで人工的に作られた花の総称です。読み方は「ぞうか」で、生花の対義語にあたります。品質は幅広く、量産品から、生花と見分けがつかない高品質なアーティフィシャルフラワーまで含まれます。
アーティフィシャルフラワーと造花の違いは何ですか?
アーティフィシャルフラワーは造花の一種で、品質と表現力にこだわって作られた高級造花を指します。花びらの染色・成形の緻密さが量産品の造花との違いで、触れてはじめて生花でないと分かる水準のものもあります。
アーティフィシャルフラワーとプリザーブドフラワーはどちらが長持ちしますか?
アーティフィシャルフラワーのほうが長持ちします。人工素材なので数年単位で楽しめて、湿気や衝撃にも強いのが特徴です。プリザーブドフラワーは生花を加工したもので質感は美しいのですが、寿命は1〜2年程度が目安で、繊細な扱いが必要です。
アーティフィシャルフラワーのお手入れ方法は?
基本のお手入れは、ほこりを払うことだけです。ハンディモップでやさしくなでるか、ドライヤーの冷風を弱めに当てると、花びらを傷めずにほこりが落ちます。水洗いは接着部分が傷むため避けてください。あとは直射日光の当たりにくい場所に飾ると、色あせを遅らせて長くきれいに楽しめます。
造花を贈り物にするのは失礼になりませんか?
失礼にはあたりません。とくにアーティフィシャルフラワーは、水替えの手間をかけさせず長く楽しんでもらえるため、還暦などの長寿祝いや新築祝いのギフトとして選ばれることが増えています。「枯れない」ことが「幸せが続く」という縁起の良い意味で受け取られる場面も多いです。
触れてわかる、アーティフィシャルフラワーの実力
アーティフィシャルフラワーとは、品質と表現力にこだわった高級造花のこと。造花のイメージが変わるほどの完成度で、水やりいらずで何年も美しく咲き続けます。
お花でござるの商品一覧には、アーティフィシャルフラワーのリースを揃えています。飾る場所や贈る相手に合わせて作るカスタムオーダーも人気です。写真でも品質は伝わると思いますが、いちばんはやっぱり実物。マルシェで見かけたら、遠慮なく触ってみてください。「えっ、造花なんですか!?」をお待ちしています。

大手銀行員や学童保育所指導員、情報新聞紙の記者兼編集者、都内にある造花専門店での受付など、さまざまな業種に勤務。
現在は2児の母をやりながら、アーティフィシャルフラワーを使用したリースを作り、イベント出展やネット販売しています。
【保有資格】
・フラワーデコレーター2級ライセンス
・保育士

