ペット供養にアーティフィシャルフラワーを。枯れない花で虹の橋へ想いを届ける

「仏壇に置くお花は考えたんですけど、壁に飾れるようなものってないんでしょうか?」

去年の秋、マルシェのブースでそう相談してくださった方がいました。半年前に14歳の柴犬を見送ったばかり。ペットの供養に飾る花を探しているけれど、生花はすぐ枯れてしまうし、水替えのたびにあの子を思い出して胸が詰まる。ペットの仏壇に造花を供えるのは失礼にならないか、かといって何も飾らないのも寂しい。ペットのお供えに枯れない花はないものか——そんなお話でした。

この一言が、お花でござるのペット供養リースというアイデアの出発点になりました。壁にかけられて、枯れなくて、あの子のイメージそのままに彩れるメモリアル。ペットメモリアルにアーティフィシャルフラワー(高級造花)を選ぶ方が、いま静かに増えています。

今日は、ペットの供養に花のリースを飾るという新しい選び方について、虹の橋の物語や造花のマナー、飾る場所やオーダーの流れまで、専門店の目線でまとめました。

目次

ペット供養の花にリースという選択肢

ペットのお供えといえば、これまでは仏壇や骨壺の横に生花を一輪、というのが定番でした。もちろんそれも素敵な弔い方です。ただ「壁に飾る」という選択肢があることは、意外と知られていません。

円が象徴する「終わりのないつながり」

リースの丸い形には、西洋で古くから受け継がれてきた意味があります。始まりも終わりもない円。だから「永遠」「終わりのないつながり」の象徴とされてきました。

一緒に暮らした時間は途切れても、あの子への想いはずっと続いていく。その気持ちを、輪という形がそのまま受け止めてくれます。永遠の象徴を贈るという意味では、結婚祝いのウェディングリースと同じ願いが根っこにあるのかもしれません。人生の門出にも、大切な家族との別れにも、円は寄り添ってくれます。

仏壇の縦置きだけでなく壁掛けで飾るメモリアル

仏壇やメモリアルスペースは、どうしても床や棚の上に「置く」ものになります。でもリースなら、壁という新しい居場所ができる。写真の隣、玄関、リビングの見やすい高さ。目線の先にあの子の花が咲いている、というのは思っていた以上に心が安らぐものです。

「毎日おはようって声をかけられる場所ができました」。お引き渡し後にそう連絡をくださった方がいて、私も胸が熱くなりました。

場所を取らず、賃貸でも飾れる手軽さ

大きな仏壇を置くスペースがない。賃貸で壁に大きなものはかけられない。ペットを見送った方から、そんな声もよくいただきます。

リースは直径20cmほどの小ぶりなサイズから作れます。壁を傷つけにくいフックを使えば、賃貸でも気軽に飾れる。水も花瓶もいらないので、置き場所に困りません。小さくても、想いの重さは変わりません。

虹の橋とレインボーカラーのメモリアルリース

ペットメモリアルのリースを語るうえで、どうしても触れたい物語があります。「虹の橋(Rainbow Bridge)」の言い伝えです。

虹の橋の言い伝えと7色の意味

虹の橋は、欧米で古くから語り継がれてきたペットとの別れにまつわる物語です。亡くなったペットは、天国の手前にある虹のかかった草原で元気に走り回りながら、飼い主が来る日を待っている。いつか飼い主がその場所にたどり着いたとき、再会してまた一緒に橋を渡っていく——そんなお話です。

この物語を知ってから、私は虹の7色でメモリアルリースを彩ることを思いつきました。赤・橙・黄・緑・青・藍・紫。7つの色それぞれに花言葉があり、あの子に伝えたい想いを託せます。

愛犬・愛猫の毛色やイメージカラーで彩る

虹色をベースにしつつ、その子らしい色を一色多めにする。茶色い柴犬なら橙を効かせて、白猫なら白とグリーンを基調に虹色をアクセントに。毛色やリボンの色、いつも使っていたお皿の色。飼い主さんだけが知っているあの子の色を、そっと忍ばせます。

下の表は、お花でござるがメモリアルリースでよく使う虹の7色と、その花・花言葉・込める想いをまとめたものです。

虹の色花材花言葉込める想い
バラ愛情・あなたを愛しています変わらない愛を伝えたい
ガーベラ希望・冒険心やんちゃで元気だったあの子へ
ひまわりあなただけを見つめる・憧れいつもそばで見ていてくれた感謝
ユーカリ思い出・再生一緒に過ごした日々の記憶
ワスレナグサ私を忘れないで・真実の愛ずっと忘れないという約束
アジサイ家族の絆・辛抱強い愛情家族の一員だった証
リシアンサス(トルコキキョウ)優美・希望安らかにという祈り

青のワスレナグサ、「私を忘れないで」。この花をお伝えすると、涙ぐまれる方が本当に多いんです。あの子が飼い主に言いたかった言葉のようで、私も毎回込み上げるものがあります。

ペットの仏壇に造花を供えるマナー

ここで、多くの方が引っかかる不安に正直にお答えします。「造花をお供えするのは失礼にあたらないの?」というご質問、しょっちゅういただきます。

結論から言うと、ペットの供養に造花のリースを飾ることは、マナー違反ではありません。仏教でも造花のお供えは古くから使われてきましたし、近年は人間の仏壇でも枯れない花を選ぶ方が増えています。大切なのは供える花の種類より、弔う気持ちそのものです。

火葬時は生花、供養時は造花でよい理由

一つだけ、使い分けの目安をお伝えします。ペットの火葬やお別れの式など、その場限りのお見送りには生花がふさわしいとされます。一緒に棺に入れてあげたり、祭壇を彩ったりする花は、そのときだけ美しく咲く生花が合います。

一方、日々のお供えや、ずっと飾り続けるメモリアルには造花が向いています。枯れて弱っていく姿を見なくて済むこと、水替えの手間がないこと。喪失の悲しみのなかで、萎れた花を片付ける作業はつらいものです。長く手を合わせる対象には、色あせないアーティフィシャルフラワーのほうが心穏やかに向き合えます。

生花・プリザーブドフラワー・アーティフィシャルフラワーの比較

「枯れない花」と一口に言っても、いくつか種類があります。それぞれの違いを、メモリアルに飾るという視点で表にしました。

項目生花プリザーブドフラワーアーティフィシャルフラワー
手入れ水替え・花瓶洗いが必要ほぼ不要(湿気に注意)ほぼ不要(ホコリを払う程度)
日持ち1〜2週間1〜3年ほど数年以上、色あせにくい
飾る形花束・アレンジが中心アレンジ・小箱が中心花束・アレンジ・リースまで自在
予算感手頃だが繰り返し必要やや高め予算に応じて幅広く対応可
向いている場面火葬・お別れの式小さなメモリアル壁掛けリース・長く飾る供養

プリザーブドフラワーは生花を加工した繊細な美しさが魅力ですが、湿気に弱く、リースのように壁で長く飾る用途にはやや不向きです。

リースに向くアーティフィシャルフラワーの扱いやすさ

リースは壁にかけて空気にさらされ続ける飾り方です。だからこそ、湿気や光に強く、形が崩れにくいアーティフィシャルフラワーが一番扱いやすい。茎に針金が入っているものが多く、丸い土台に沿わせてしっかり固定できるので、大ぶりの花もボリューム豊かに組めます。

天然素材でリースを作りたい方には、ソラフラワーという選択肢もあります。木の皮から手作業で花の形を作る自然素材で、独特のやさしい風合いがあります。詳しくはソラフラワーとは?造花・ドライフラワーとの違いでまとめているので、素材から選びたい方はのぞいてみてください。

アーティフィシャルフラワー専門店だから話せる長持ちの理由

お花でござるはアーティフィシャルフラワーのリース専門店です。だからこそお伝えできる、「枯れない」の中身をお話しします。

色あせ・ホコリを抑える素材と作りの工夫

同じ造花でも、素材のグレードで見え方も寿命もまるで違います。お花でござるが使うのは、花びらの薄さや色のグラデーションまで本物に寄せた上質な花材。安価な造花にありがちなテカリや、のっぺりした単色にはなりません。

直射日光が長く当たる場所では、どんな花材でも少しずつ退色します。だから組むときから、色あせしにくい花材を日の当たる面に配置したり、飾り場所の光の入り方をお客さまに伺ってから設計します。ホコリは、やわらかい筆やドライヤーの冷風でそっと払うだけ。作りの段階で花同士の隙間に余裕を持たせているので、お手入れもしやすくなっています。

ペットのお供えに枯れない花という安心

生花のお供えは、夏場だと数日で傷んでしまいます。旅行や帰省で家を空けるあいだ、萎れていく花を思って気が気じゃない、という方も多い。

アーティフィシャルフラワーのリースなら、真夏でも留守中でも変わらず咲いたまま。長く美しさを保つコツはソラフラワーのお手入れ方法でも触れていますが、基本はホコリを払うことと、強い直射日光と湿気を避けることだけ。手をかけずに、いつでも整った姿であの子を見守ってくれます。

メモリアルリースを飾る場所と選び方

せっかくのメモリアルリース。どこに飾るかで、暮らしのなかでの寄り添い方が変わります。

玄関・メモリアルスペース・写真の隣

一番人気は、写真立ての隣です。あの子の笑顔と花が並ぶと、そこがやわらかなメモリアルスペースになります。玄関にかければ、出かけるときと帰るときに「いってきます」「ただいま」を言える。リビングの壁なら、家族みんなの目に自然と入ります。

火や熱源のそば、エアコンの風が直接当たる場所、西日が強く差し込む窓辺は避けてあげてください。花が長持ちします。

淡いピンク・白を基調にした色合わせ

虹色のにぎやかなリースが似合う子もいれば、静かに眠るように送りたい子もいます。淡いピンクや白を基調にした色合わせは、やさしく落ち着いた印象。お花でござるのシンボルカラーでもあるやわらかなトーンで、悲しみをそっと包むような仕上がりになります。虹色をアクセントに数輪だけ添える、という組み合わせも人気です。

オーダーメイドのペットメモリアルリース

既製のリースでも十分素敵ですが、ペットメモリアルは特に「その子だけの一点」にしたいという想いが強く出ます。お花でござるではカスタムオーダーを承っています。

イメージカラー再現のオーダー事例とお客さまの声

黒猫を見送った方からは、「黒は花にしにくいと思うけど、あの子らしさを出せますか」とご相談を受けました。深い緑と紫を効かせて、瞳の色だったゴールドを一輪。「毛並みのつやまで思い出せる」と喜んでいただけました。

15歳のトイプードルを見送った女性は、いつものトリミングリボンの水色を基調に、と。ワスレナグサの青を主役にして仕上げたところ、「これはあの子だ、ってすぐわかりました」と涙ながらのメッセージをくださいました。

3羽のセキセイインコを一つのリースにまとめたいというご依頼もありました。それぞれの羽の色を一輪ずつ配して、三色が寄り添う小さな輪に。「三羽が仲良く天国で遊んでるみたいで、見るたび笑顔になれます」。こういうお声が、この仕事を続けている理由です。

費用の考え方

気になる費用ですが、リースの大きさ、花材の数、オーダーの内容によって幅があります。手のひらサイズの小ぶりなものから、存在感のある大きめのものまで。ご予算に応じてご提案しますので、まずは「これくらいで作りたい」という金額をお聞かせください。無理に大きくせず、置き場所とご予算に合った一点を一緒に考えます。

よくある質問

Q. リースを供養に飾ってもよいのでしょうか?

はい、まったく問題ありません。造花のお供えは古くから使われてきましたし、丸い輪は「永遠のつながり」を象徴します。日々手を合わせるメモリアルとして、多くの方に選ばれています。

Q. 壁掛け以外の飾り方はできますか?

できます。専用のリーススタンドに立てかければ、棚やメモリアルスペースに置いて飾れます。壁に穴を開けたくない方や、写真立てと並べたい方に向いています。ご希望があればスタンドもご提案します。

Q. オーダーのときは何を伝えればよいですか?

あの子の毛色やイメージカラー、いつも使っていたリボンやお皿の色、飾りたい場所の広さ、ご予算。この4つを教えていただければ、あとはこちらで形にしていきます。写真を見せていただけると、雰囲気をより忠実に再現できます。

Q. 日持ちはどのくらいですか?

アーティフィシャルフラワーは色あせにくく、数年以上飾っていただけます。直射日光と湿気を避け、ときどきホコリを払っていただければ、長く美しい姿を保ちます。

Q. 虹色以外の色も選べますか?

もちろんです。淡いピンクや白を基調にした落ち着いた色合わせ、あの子の毛色に寄せた単色ベースなど、ご希望に合わせて自由に組めます。虹色にこだわらず、その子らしい一点をお作りします。

大切な家族を見送る悲しみは、簡単には癒えません。それでも、あの子の色をした花が壁で咲き続けていると、ふとした瞬間に笑顔が戻ってくる。ペットメモリアルのリースは、そんな毎日の小さな支えになれると思っています。虹の橋の向こうで待っているあの子へ、枯れない花の輪を。お花でござるがお手伝いします。