ソラフラワーとは?造花・ドライフラワーとの違いと原料・作り方

ソラフラワーとは、マメ科の植物「ソラ(学名 Aeschynomene aspera)」の茎の芯を薄く剥いで、花びらを1枚ずつ手で組み立てた天然素材の花です。原料は本物の植物なので造花(化学繊維の花)とは違い、生花を乾かしたものでもないのでドライフラワーとも違います。日本で出回っているものの多くはタイで作られています。

「これ、ドライフラワーですか?」

マルシェで一番よく受ける質問です。答えは「違います」。生花でもドライでも造花でもない。どの棚にも収まらない、4つ目の選択肢です。

白くて、ふわっとして、どこか懐かしいマットな質感。遠目に見るとドライフラワーのようにも見えるし、近くで触れてみると造花とも違う。「なんだろう、これ」という顔をされるお客さまの表情が、毎回いちばん正直に表してくれています。

見た目は乾いた花なのに、原料は植物の茎の芯。この組み合わせが、ソラフラワーを分かりにくくしている理由です。

今日は、そのソラフラワーについてちゃんとお話しします。ドライとも造花とも違う理由、どこから・どう作られているのか、アーティフィシャルフラワーやプリザーブドフラワーとの違い。リース専門店の目線でまるごとご紹介します。

ソラフラワーの基本データ

ソラフラワーは、湿地に生えるマメ科の草「ソラ」の茎の芯から作る、手作りの天然素材の花です。名前・原料・産地・作り方・扱い方の要点を、ひとつの表にまとめました。

名前ソラフラワー(英語では sola flower/sola wood flower)。「ソーラーフラワー」と呼ばれることもありますが、太陽(solar)とは関係ありません
原料の植物ソラ(sola/shola)。学名 Aeschynomene aspera、マメ科
植物の姿草本で、一年草にも多年草にもなり、低木状に育つこともあります。「ソラの木」は通称で、樹木ではありません
自生地熱帯アジアからオーストラリア北部にかけての湿地や水田のまわり(インド、バングラデシュ、タイなど)
主な生産地タイ。日本で出回っているものの多くがタイ産です
使う部分茎の中にある白く軽いスポンジ状の芯(髄)
作り方乾かした芯をナイフでかつら剥きにして薄いシートにし、花びらを1枚ずつ切って手で組み立てます
色そのままでは白〜生成り。染色で色を付けます
水やり不要
苦手なもの湿気と直射日光。屋外や浴室の近くには向きません
香り素材そのものの香りはほとんどありません。液体を吸いやすいので、アロマオイルを垂らして香りを楽しめます
注意点「ソラフラワー」の名前で売られている製品の中には、キャッサバ(タピオカの原料)由来の素材で作られたものもあると紹介されています

植物の分類と自生地は英国王立植物園キューのデータベース「Plants of the World Online」を、産地と作り方、アロマオイルを吸う性質はフラワーエデュケーションジャパンの解説「ソラフラワーって何?」を、キャッサバ由来の製品の話はカリフォルニア大学の園芸ブログ「The Savvy Sage」を参照しました。

ソラフラワーをもっと知るための記事

お花でござるでは、ソラフラワーについてテーマ別に記事を書いています。知りたいことから選んでください。

ソラフラワーの正体と、ドライフラワーに見える理由

ソラフラワーは、手に取ると特徴がよく分かる素材です。

まず、とても軽い。そしてドライフラワーよりしなやかで、軽く押すとふにっとへこんで、力を入れても折れにくい。

この軽さとしなやかさは、植物の茎の芯を薄く剥いで花の形にしているから生まれるものです。

原料は「ソラ」——ソラフラワーが天然素材である理由

ソラフラワーの原料となる植物は、「ソラ」または「ショーラ(shola)」と呼ばれます。学名はAeschynomene aspera、マメ科の草本で、育つ環境によって一年草にも多年草にもなります。熱帯アジアからオーストラリア北部にかけての湿地や水田のまわりに自生していて、インドやバングラデシュ、タイにも生えています。見た目は細くて背の高い草のような植物で、観賞用の花とは全く異なる姿をしています。

なお、この植物には確立した日本語の標準和名はなく、流通名の「ソラ」がそのまま定着しています。インドでは古くから装飾用途に使われてきた素材で、婚礼の飾りや宗教儀式のヘッドピースなどに用いられてきた歴史があります。日本に渡ってきたのは比較的最近のことで、フラワーアレンジメントやリース素材として少しずつ広まっています。いま日本で出回っているソラフラワーは、多くがタイで作られたものです。

作り方は職人の手作業

このソラの茎の芯の部分(髄)は、白くて軽いスポンジ状です。乾かした芯をナイフでかつら剥きのように薄いシートにして、職人が花びらを1枚ずつ切り、花の形に組み立てていきます。機械で大量生産できるものでなく、1枚1枚の花びらを手で削り出しているため、同じサイズのソラフラワーでも微妙な個体差があります。それがナチュラルな風合いになっていて、手作り感の源でもあります。

色は、加工前は白〜淡いクリーム色。染色を施すことでピンク・テラコッタ・グリーン・ボルドーなど幅広い色を出せます。染料の吸い込みがやわらかいので、くっきりした発色より、くすみがかった上品なトーンになりやすい。これが北欧テイストやナチュラルインテリアとの相性のよさにつながっています。

「乾いていないのに乾いて見える」不思議な理由

ソラフラワーがドライフラワーに見える理由は、質感そのものにあります。原料は乾かした茎の芯なので、加工の段階からすでに乾いた状態。生花を乾燥させているわけではないのに、ドライフラワー特有の軽さとマットな見た目があります。

でも触ってみると違いがわかります。ドライフラワーはパリパリとした硬さがありますが、ソラはもっとしなやか。軽いのに、力を加えても折れにくい。この弾力が、リース素材として扱いやすい最大の理由でもあります。

ソラフラワーと造花の違い——4素材を横並びで比べれば立ち位置がわかる

「結局、どれに一番近いんですか?」という質問もよくいただきます。ドライフラワー・プリザーブドフラワー・アーティフィシャルフラワーと並べて比べると、それぞれの立ち位置が見えてきます。

ソラフラワードライフラワープリザーブドフラワーアーティフィシャルフラワー
原料天然植物(ソラの茎の髄)天然植物(生花を乾燥)天然植物(生花を特殊加工)化学繊維(ポリエステル等)
水やり不要不要不要不要
耐久性数年(環境次第)1〜3年1〜3年半永久的
湿気への強さやや弱い弱い弱い(カビに注意)強い
色の自由度染色で幅広く乾燥後の自然な色染色で幅広くほぼ無限
質感ナチュラル・手作り感ビンテージ・繊細生花に近い素材次第で多様
崩れやすさ崩れにくい崩れやすいデリケート丈夫

ソラフラワーが他と大きく違うのは、「天然素材なのに成形の自由度が高い」点です。ドライフラワーは乾燥後の形と色味が固定されてしまいますが、ソラは加工の段階で花びらの形を作れるし、染色でどんな色にもなれる。プリザーブドフラワーのように生花の美しさをそのまま保存するわけではありませんが、職人の手仕事から生まれる温かみがある。

アーティフィシャルフラワーと比べると耐久性では劣りますが、天然素材ならではのやさしい質感と手作り感は、アーティフィシャルフラワーでは出せない独自の魅力です。

お花でござるでは、アーティフィシャルフラワーをメイン素材としたリースにソラフラワーをアクセントで組み合わせることもあります。「全部きっちりした造花だと少し硬い印象になるとき、ソラを加えるとふっとやわらかくなる」という感覚です。全体に抜け感が出て、インテリアになじみやすくなります。

ソラフラワーがリースに向いている理由

ソラフラワーはリース素材として、いくつかの点でとても使いやすいです。

まず、軽い。リースにとって重さは大切な要素で、重くなりすぎると壁に掛けたときに落下のリスクが高まります。ソラフラワーは素材そのものが非常に軽量なので、大きめのリースでも壁への負担を抑えられる。大きさのわりに重さを感じさせないリースができます。

次に、しなやかで折れにくい。ドライフラワーはパリッとしていて加工中に割れることがありますが、ソラは弾力があるためリースベースに巻いたり押し当てたりしても崩れにくい。ただし強く握ると潰れるので、送るときは緩衝材でしっかり守ります。

そして、ナチュラルな素材との相性がいい。ソラの白やクリーム色の質感は、ユーカリ・スターチス・ラグラスなどのドライグリーンと自然に馴染みます。アーティフィシャルフラワーの鮮やかさを引き立てる縁の役割もしてくれる。主役にも脇役にもなれる、使い勝手のいい素材です。

気をつけてほしいのは湿気

ソラフラワーで注意が必要なのは、湿気への弱さです。水分を含むと変形したり、色が落ちたりすることがあります。玄関の屋外側や、浴室・洗面所の近くなど湿度が高くなりやすい場所への設置は避けるのが無難です。

直射日光の当たらない室内の、乾いた場所に飾るのが一番長持ちします。リビングや寝室の壁に飾るなら、カーテン越しの柔らかい光が入る場所がおすすめです。

ソラフラワーが活きる場面と、組み合わせる花材の花言葉

「どんなギフトシーンに向いていますか?」とよく聞かれます。ソラフラワーを使ったリースが喜ばれやすい場面をまとめます。

新築・引っ越し祝いには特に向いています。白やナチュラルカラーのソラフラワーリースは、どんなインテリアにも馴染みやすいため、「部屋の雰囲気に合わなかった」という失敗が起きにくい。相手の好みがはっきりわからないときでも、安心して選べます。

誕生日や記念日のギフトにも合います。染色ソラを使えばピンクやパープルなど、テーマカラーに合わせられます。「枯れない」という特性は、記念日の気持ちが長く手元に残るという意味でも喜ばれます。

そして長寿祝いのリースにも、ソラフラワーが使われることがあります。「いつまでもお元気で」という気持ちを形にしたリースに、やさしい手作り感のあるソラが自然と合います。アーティフィシャルフラワーと組み合わせた場合は耐久性が上がり、長く飾っていただけます。

ソラフラワーと組み合わせることが多い花材の花言葉をまとめました。

花材花言葉合わせたときの印象
バラ(白・クリーム)「純潔」「尊敬」上品でシンプルな仕上がりに
ユーカリ「思い出」「保護」グリーンがナチュラル感を底上げ
スターチス「永遠に変わらない」淡い紫がさりげないアクセントに
かすみ草「幸福」「感謝」ふわっとやわらかい雰囲気になる
コットンフラワー「優秀」「繁栄」ソラとコットンの白が一体感を生む
ラグラス(うさぎのしっぽ)「感謝」丸いフォルムがソラと馴染みやすい

長寿祝いのリースは、節目ごとにシンボルカラーが決まっています。還暦には赤、古希・喜寿には紫、米寿には黄色が伝統的な色。ソラフラワーはその色に染色して使うか、白のまま差し色として加えるかで、全体の印象を変えられます。それぞれのお祝いに合った色と花材の選び方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

選ぶときに見てほしいポイントと、価格の考え方

見てほしい3つのポイント

ソラフラワーリースを選ぶ際に、チェックしてほしいポイントが3つあります。

ひとつ目は、染色の均一さです。ソラフラワーはほぼ手作業で染色されるため、品質によってムラの出方が変わります。発色がきれいで色が均一に乗っているものは、品質管理がしっかりされている証拠です。反対に、色がまだらだったり妙にくすみすぎていたりするものは、長期間飾ると見た目の劣化が早い傾向があります。

ふたつ目は、花びらの成形の丁寧さ。花びらが自然に重なっていて、厚みが均一なものを選ぶと、飾ったときの見た目が安定します。端が剥がれかけていたり、形が崩れているものは、経年でさらに劣化が進みやすいです。

みっつ目は、組み合わせる素材とのバランス。ソラフラワーだけのリースもありますが、ユーカリやスターチスなどのドライグリーンを加えたナチュラル系、アーティフィシャルフラワーと組み合わせた華やか系など、飾る場所と用途に合わせた組み合わせが重要です。同じソラフラワーを使っていても、何と合わせるかでリース全体の印象がまったく変わります。

価格の考え方

ソラフラワーリースの価格は、サイズ・使用素材の種類・ボリュームによって変わります。ソラフラワーをメインに使ったシンプルな構成は比較的手が届きやすく、アーティフィシャルフラワーをたっぷり組み合わせた華やかなものは価格も上がります。

贈る相手との関係性や場面に合わせて予算を考えるのが自然です。誕生日や記念日、還暦・古希のような節目など、贈る場面に合わせて考えてみてください。「予算はあるけど何が適切かわからない」という場合は、カスタムオーダーでご相談いただければ、ご予算の中で最適なご提案ができます。

よくある質問

ソラフラワーとソラウッドは違うものですか?

どちらも同じ「ソラ」という植物から作られますが、加工の仕方が違います。ソラウッドは茎そのものを使った素材で、枝状や棒状のリースパーツとして使われます。ソラフラワーは茎の髄を薄く削り出して花の形に成形したもの。花の形をしているのがソラフラワーです。

触ると崩れますか?

ドライフラワーほどの脆さはなく、飾る分には普通に扱えます。ただし、強くはたいたり水に濡らしたりすると変形することがあります。ホコリが積もったときは、エアダスターか柔らかいブラシで優しく払うのがおすすめです。

直射日光が当たると色は落ちますか?

染色の色は紫外線で少しずつ退色します。窓際など直射日光が当たり続ける場所では変色が早まるので、カーテン越しの柔らかい光が入る場所に飾るのが長持ちのコツです。

プリザーブドフラワーと一緒にリースに使えますか?

使えます。ただしプリザーブドフラワーは湿気に非常に弱いため、飾る場所の湿度管理が共通の注意点になります。扱いやすさという点では、アーティフィシャルフラワーとの組み合わせのほうが長期的に安定しやすいです。

アレルギーの心配はありますか?

乾燥した状態で流通しているため花粉は出ません。ただし植物アレルギーをお持ちの方は念のためご確認ください。アーティフィシャルフラワーと異なり天然素材ですので、敏感な方は注意が必要です。

ギフト用にラッピングはしてもらえますか?

リースを購入するショップによって対応が異なります。お花でござるのカスタムオーダーではギフト用のご相談も承っておりますので、希望の方はカスタムオーダーページからお問い合わせください。

「ソーラーフラワー」はソラフラワーと同じものですか?

「ソーラーフラワー」は、ソラフラワーの言い間違いとして使われることが多い言葉です。ソラは原料の植物の名前で、太陽(solar)とは関係ありません。太陽電池で揺れる花の置物もソーラーフラワーと呼ばれるので、通販で探すときは写真と素材の表記を確認してください。

ソラフラワーは全部ソラの植物から作られていますか?

もとはソラの茎の芯から作る花ですが、同じ名前で売られている製品の中には、キャッサバ(タピオカの原料になる植物)由来の素材で作られたものもあると紹介されています。原料にこだわりたい場合は、販売店に素材を確認するのが確実です。

ソラフラワーにアロマオイルを垂らしても大丈夫ですか?

垂らせます。花びらがスポンジのように液体を吸うので、アロマオイルを直接しみ込ませて香りを楽しむ使い方があります。ただし白や生成りの花はシミが目立ちやすいので、花の裏側に少量から試してください。詳しいやり方はソラフラワーでアロマを楽しむ方法にまとめています。

まとめ——「ドライでも造花でもない」を知ると、リース選びが変わる

「ドライフラワーですか?」という質問への正解は、「違います」。ソラフラワーの正体は、マメ科の植物「ソラ」の茎の髄を薄く削り出した天然素材のお花。ドライでも造花でもプリザーブドでもない、4つ目の選択肢です。

素材の背景を知ると、選ぶ楽しさが変わる。ナチュラルな風合いの理由がわかる。この記事がそのきっかけになれたらうれしいです。

リースへのご使用やカスタムオーダーのご相談は、お気軽にどうぞ。