ソラフラワーとは?造花・ドライフラワーとの違いをリース専門店が徹底解説

「これ、ドライフラワーですか?」

マルシェで一番よく受ける質問です。ソラフラワーとは、天然素材のお花のこと。造花との違いは「原料が本物の植物かどうか」で、ソラフラワーが天然素材である理由はマメ科の植物「ソラ」の茎の芯を削り出して作るから。でも生花でもドライでもない。どの棚にも収まらない、4つ目の選択肢です。

白くて、ふわっとして、どこか懐かしいマットな質感。遠目に見るとドライフラワーのようにも見えるし、近くで触れてみると造花とも違う。「なんだろう、これ」という顔をされるお客さまの表情が、毎回いちばん正直に表してくれています。

「植物の茎の芯を削り出して作るんです」と説明すると、「え、植物なんですか!?」とほぼ全員が目を丸くされます。その驚きが毎回新鮮で、ブースでの説明がついつい長くなってしまう素材のひとつです。

今日は、そのソラフラワーについてちゃんとお話しします。ドライとも造花とも違う理由、どこから・どう作られているのか、アーティフィシャルフラワーやプリザーブドフラワーとの違い。リース専門店の目線でまるごとご紹介します。

目次

ソラフラワーとは——マルシェでいちばんよく受ける質問

ソラフラワーをお客さまに説明するとき、お花でござるではよくこんな手順でお話しします。

「まず触ってみてください」と言って手に取ってもらう。「すごく軽いですよね」。「ほんとだ、びっくり」。「でもドライフラワーよりしなやかで、力を入れても折れにくいんです」。「あ、たしかに。なんかふにっとしてる」。

ここまで来てから「実はこれ、植物の茎の芯を薄く削り出して、花の形に成形したものなんですよ」と言うと、「じゃあこれも天然なんですか?」と驚いてくださる。このやり取りが、お花でござるのマルシェブースではすっかりお馴染みになりました。

原料は「ソラ」——ソラフラワーが天然素材である理由

ソラフラワーの原料となる植物は、「ソラ」または「ショーラ(shola)」と呼ばれます。学名はAeschynomene aspera、マメ科の多年草で、インドやバングラデシュなど南アジアの湿地や河川のほとりに自生しています。見た目は細くて背の高い草のような植物で、観賞用の花とは全く異なる姿をしています。

なお、この植物には確立した日本語の標準和名はなく、流通名の「ソラ」がそのまま定着しています。インドでは古くから装飾用途に使われてきた素材で、婚礼の飾りや宗教儀式のヘッドピースなどに用いられてきた歴史があります。日本に渡ってきたのは比較的最近のことで、フラワーアレンジメントやリース素材として少しずつ広まっています。

作り方は職人の手作業

このソラの茎を切ると、断面が白くて軽い。この茎の芯の部分(髄)を薄くスライスして、職人が花びらの形に成形していきます。機械で大量生産できるものでなく、1枚1枚の花びらを手で削り出しているため、同じサイズのソラフラワーでも微妙な個体差があります。それがナチュラルな風合いになっていて、手作り感の源でもあります。

色は、加工前は白〜淡いクリーム色。染色を施すことでピンク・テラコッタ・グリーン・ボルドーなど幅広い色を出せます。染料の吸い込みがやわらかいので、くっきりした発色より、くすみがかった上品なトーンになりやすい。これが北欧テイストやナチュラルインテリアとの相性のよさにつながっています。

「乾いていないのに乾いて見える」不思議な理由

ソラフラワーがドライフラワーに見える理由は、質感そのものにあります。茎の髄は水分を含まない組織なので、加工の段階からすでに乾いた状態。生花を乾燥させているわけではないのに、ドライフラワー特有の軽さとマットな見た目があります。

でも触ってみると違いがわかります。ドライフラワーはパリパリとした硬さがありますが、ソラはもっとしなやか。軽いのに、力を加えても折れにくい。この弾力が、リース素材として扱いやすい最大の理由でもあります。

ソラフラワーと造花の違い——4素材を横並びで比べれば立ち位置がわかる

「結局、どれに一番近いんですか?」という質問もよくいただきます。ドライフラワー・プリザーブドフラワー・アーティフィシャルフラワーと並べて比べると、それぞれの立ち位置が見えてきます。

ソラフラワードライフラワープリザーブドフラワーアーティフィシャルフラワー
原料天然植物(ソラの茎の髄)天然植物(生花を乾燥)天然植物(生花を特殊加工)化学繊維(ポリエステル等)
水やり不要不要不要不要
耐久性数年(環境次第)1〜3年1〜3年半永久的
湿気への強さやや弱い弱い弱い(カビに注意)強い
色の自由度染色で幅広く乾燥後の自然な色染色で幅広くほぼ無限
質感ナチュラル・手作り感ビンテージ・繊細生花に近い素材次第で多様
崩れやすさ崩れにくい崩れやすいデリケート丈夫

ソラフラワーが他と大きく違うのは、「天然素材なのに成形の自由度が高い」点です。ドライフラワーは乾燥後の形と色味が固定されてしまいますが、ソラは加工の段階で花びらの形を作れるし、染色でどんな色にもなれる。プリザーブドフラワーのように生花の美しさをそのまま保存するわけではありませんが、職人の手仕事から生まれる温かみがある。

アーティフィシャルフラワーと比べると耐久性では劣りますが、天然素材ならではのやさしい質感と手作り感は、アーティフィシャルフラワーでは出せない独自の魅力です。

お花でござるでは、アーティフィシャルフラワーをメイン素材としたリースにソラフラワーをアクセントで組み合わせることもあります。「全部きっちりした造花だと少し硬い印象になるとき、ソラを加えるとふっとやわらかくなる」という感覚です。全体に抜け感が出て、インテリアになじみやすくなります。

ソラフラワーがリースに向いている理由

ソラフラワーはリース素材として、いくつかの点でとても使いやすいです。

まず、軽い。リースにとって重さは大切な要素で、重くなりすぎると壁に掛けたときに落下のリスクが高まります。ソラフラワーは素材そのものが非常に軽量なので、大きめのリースでも壁への負担を抑えられる。大きさのわりに重さを感じさせないリースができます。

次に、しなやかで折れにくい。ドライフラワーはパリッとしていて加工中に割れることがありますが、ソラは弾力があるためリースベースに巻いたり押し当てたりしても崩れにくい。発送時の安定感も比較的高く、ギフトとして送りやすい素材です。

そして、ナチュラルな素材との相性がいい。ソラの白やクリーム色の質感は、ユーカリ・スターチス・ラグラスなどのドライグリーンと自然に馴染みます。アーティフィシャルフラワーの鮮やかさを引き立てる縁の役割もしてくれる。主役にも脇役にもなれる、使い勝手のいい素材です。

気をつけてほしいのは湿気

ソラフラワーで注意が必要なのは、湿気への弱さです。水分を含むと変形したり、色が落ちたりすることがあります。玄関の屋外側や、浴室・洗面所の近くなど湿度が高くなりやすい場所への設置は避けるのが無難です。

直射日光の当たらない室内の、乾いた場所に飾るのが一番長持ちします。リビングや寝室の壁に飾るなら、カーテン越しの柔らかい光が入る場所がおすすめです。

ソラフラワーが活きる場面と、組み合わせる花材の花言葉

「どんなギフトシーンに向いていますか?」とよく聞かれます。ソラフラワーを使ったリースが喜ばれやすい場面をまとめます。

新築・引っ越し祝いには特に向いています。白やナチュラルカラーのソラフラワーリースは、どんなインテリアにも馴染みやすいため、「部屋の雰囲気に合わなかった」という失敗が起きにくい。相手の好みがはっきりわからないときでも、安心して選べます。

誕生日や記念日のギフトにも合います。染色ソラを使えばピンクやパープルなど、テーマカラーに合わせられます。「枯れない」という特性は、記念日の気持ちが長く手元に残るという意味でも喜ばれます。

そして長寿祝いのリースにも、ソラフラワーが使われることがあります。「いつまでもお元気で」という気持ちを形にしたリースに、やさしい手作り感のあるソラが自然と合います。アーティフィシャルフラワーと組み合わせた場合は耐久性が上がり、長く飾っていただけます。

ソラフラワーと組み合わせることが多い花材の花言葉をまとめました。

花材花言葉合わせたときの印象
バラ(白・クリーム)「純潔」「尊敬」上品でシンプルな仕上がりに
ユーカリ「思い出」「保護」グリーンがナチュラル感を底上げ
スターチス「永遠に変わらない」淡い紫がさりげないアクセントに
かすみ草「幸福」「感謝」ふわっとやわらかい雰囲気になる
コットンフラワー「優秀」「繁栄」ソラとコットンの白が一体感を生む
ラグラス(うさぎのしっぽ)「感謝」丸いフォルムがソラと馴染みやすい

長寿祝いのリースは、節目ごとにシンボルカラーが決まっています。還暦には赤、古希・喜寿には紫、米寿には黄色が伝統的な色。ソラフラワーはその色に染色して使うか、白のまま差し色として加えるかで、全体の印象を変えられます。それぞれのお祝いに合った色と花材の選び方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

選ぶときに見てほしいポイントと、価格の考え方

見てほしい3つのポイント

ソラフラワーリースを選ぶ際に、チェックしてほしいポイントが3つあります。

ひとつ目は、染色の均一さです。ソラフラワーはほぼ手作業で染色されるため、品質によってムラの出方が変わります。発色がきれいで色が均一に乗っているものは、品質管理がしっかりされている証拠です。反対に、色がまだらだったり妙にくすみすぎていたりするものは、長期間飾ると見た目の劣化が早い傾向があります。

ふたつ目は、花びらの成形の丁寧さ。花びらが自然に重なっていて、厚みが均一なものを選ぶと、飾ったときの見た目が安定します。端が剥がれかけていたり、形が崩れているものは、経年でさらに劣化が進みやすいです。

みっつ目は、組み合わせる素材とのバランス。ソラフラワーだけのリースもありますが、ユーカリやスターチスなどのドライグリーンを加えたナチュラル系、アーティフィシャルフラワーと組み合わせた華やか系など、飾る場所と用途に合わせた組み合わせが重要です。同じソラフラワーを使っていても、何と合わせるかでリース全体の印象がまったく変わります。

価格の考え方

ソラフラワーリースの価格は、サイズ・使用素材の種類・ボリュームによって変わります。ソラフラワーをメインに使ったシンプルな構成は比較的手が届きやすく、アーティフィシャルフラワーをたっぷり組み合わせた華やかなものは価格も上がります。

贈る相手との関係性や場面に合わせて予算を考えるのが自然です。誕生日や記念日は気持ちを込めた1点選び、還暦・古希のような特別な節目はやや奮発したものを選ぶ方が多い印象です。「予算はあるけど何が適切かわからない」という場合は、カスタムオーダーでご相談いただければ、ご予算の中で最適なご提案ができます。

よくある質問

ソラフラワーとソラウッドは違うものですか?

どちらも同じ「ソラ」という植物から作られますが、加工の仕方が違います。ソラウッドは茎そのものを使った素材で、枝状や棒状のリースパーツとして使われます。ソラフラワーは茎の髄を薄く削り出して花の形に成形したもの。花の形をしているのがソラフラワーです。

触ると崩れますか?

ドライフラワーほどの脆さはなく、飾る分には普通に扱えます。ただし、強くはたいたり水に濡らしたりすると変形することがあります。ホコリが積もったときは、エアダスターか柔らかいブラシで優しく払うのがおすすめです。

直射日光が当たると色は落ちますか?

染色の色は紫外線で少しずつ退色します。窓際など直射日光が当たり続ける場所では変色が早まるので、カーテン越しの柔らかい光が入る場所に飾るのが長持ちのコツです。

プリザーブドフラワーと一緒にリースに使えますか?

使えます。ただしプリザーブドフラワーは湿気に非常に弱いため、飾る場所の湿度管理が共通の注意点になります。扱いやすさという点では、アーティフィシャルフラワーとの組み合わせのほうが長期的に安定しやすいです。

アレルギーの心配はありますか?

乾燥した状態で流通しているため花粉は出ません。ただし植物アレルギーをお持ちの方は念のためご確認ください。アーティフィシャルフラワーと異なり天然素材ですので、敏感な方は注意が必要です。

ギフト用にラッピングはしてもらえますか?

リースを購入するショップによって対応が異なります。お花でござるのカスタムオーダーではギフト用のご相談も承っておりますので、希望の方はカスタムオーダーページからお問い合わせください。

まとめ——「ドライでも造花でもない」を知ると、リース選びが変わる

「ドライフラワーですか?」という質問への正解は、「違います」。ソラフラワーの正体は、マメ科の植物「ソラ」の茎の髄を薄く削り出した天然素材のお花。ドライでも造花でもプリザーブドでもない、4つ目の選択肢です。

マルシェでソラフラワーを手に取ったお客さまが「おもしろい、知らなかった!」と言ってくださる瞬間が、お花でござるにとって一番うれしい場面のひとつです。素材の背景を知ると、選ぶ楽しさが変わる。ナチュラルな風合いの理由がわかる。この記事がそのきっかけになれたなら、書いてよかったと思います。

リースへのご使用やカスタムオーダーのご相談は、お気軽にどうぞ。