供花リースという選択|枯れない花で故人を偲ぶ新しいかたち

「母の一周忌に、仏壇のそばへ飾れる枯れない花を探していて。リースだと変でしょうか」

先日のマルシェ出店で、60代くらいの女性からこんなご相談をいただきました。聞けば、お母さまはお花が大好きだった方。この一年、仏壇の生花を絶やさないようにしてきたけれど、夏場はすぐ傷んでしまうし、毎日の水替えも正直しんどくなってきた、と。

こういう方にこそ知っていただきたいのが、枯れない供花です。お花でござるは、アーティフィシャルフラワーの供花リースを一つひとつ手作りしています。とはいえ、リースは玄関に飾るもの、お祝いに贈るもの。そんなイメージが強いので、「お供えにリースって失礼じゃないの?」と不安になるお気持ち、よくわかります。

先に結論をお伝えします。四十九日以降のお供えなら、枯れない花のリースはまったく問題ありません。むしろ欧米では、リースは追悼の花のかたちとして古くから使われてきました。

この記事では、供花リースのマナー・素材ごとの違い・選び方・相場と贈るタイミングまで、アーティフィシャルフラワーのリース専門店として全部まとめました。

目次

供花リースとは——枯れない供花で故人を偲ぶ供え方

供花(きょうか・くげ)は、故人を偲んで仏前やお墓に供える花のこと。供花リースは、その供花をリースのかたちに仕立てたものです。白や淡い色の花を輪に組んで、仏壇の脇や壁、手元供養のスペースに飾ります。生花と違って枯れないので、「気づいたら花瓶の花がしおれていた」という切なさとは無縁です。

アーティフィシャルフラワーの供花リースが持つ品質

お花でござるの供花リースは、アーティフィシャルフラワーで制作しています。ポリエステルやシルクを使った高品質な造花で、花びらの透け感や葉脈まで再現されているため、少し離れると生花と見分けがつかないほど。百貨店のギフト売り場でもお供え用として正式に扱われている花材です。

水やり不要、花粉も香りもなし。そして何年も色褪せずに飾り続けられます。「お花は好きだけど、毎日のお世話が負担になってきた」というご遺族にこそ届けたい供え方です。

リースの円が持つ「終わりのない時間」の意味

「リース=お祝い」というイメージは、実は日本での受け取られ方です。欧米では、リースは葬送の場でもっとも格式ある花のかたち。古代ギリシャ・ローマの時代から、途切れのない円は「永遠の命」「魂は巡り続ける」という祈りの象徴とされ、いまもアメリカやヨーロッパの葬儀では棺や墓前にリースが供えられます。アメリカには毎年12月、退役軍人のお墓に一斉にリースを手向ける「リース・アクロス・アメリカ」という追悼行事があるほどです。

終わりのない円に、故人と過ごした時間への感謝を込める。供花リースは、その欧米の追悼文化と日本のお供えの心が重なった供え方です。

供花リースのマナー——贈ってよい場面・避ける場面

一番気になるのがここだと思います。場面ごとに整理しました。

葬儀・通夜は生花が基本

お通夜・葬儀・告別式など、儀式の場に供える花は生花が基本です。式場の供花は地域や宗派の慣習が強く、多くの場合は葬儀社を通じて手配する決まりになっています。この場面でアーティフィシャルフラワーやリースを持ち込むのは避けてください。四十九日までの中陰の期間も、弔問の際は生花を選ぶのが安心です。

四十九日以降・命日・お盆・お彼岸・ペット供養は枯れない供花も選択肢

忌明け(四十九日)を過ぎたら、お供えの花に決まった形式はありません。仏壇まわりに何を飾るかは、ご遺族の気持ちがいちばん大切です。一周忌や三回忌などの年忌、月命日、お盆やお彼岸のお供え、喪中見舞い、そしてペット供養。こうした場面では、枯れない供花のリースは十分に選択肢に入ります。

特にお盆は真夏。生花が数日で傷んでしまう時期だからこそ、「帰省のたびにきれいなお花が迎えてくれる」と枯れない花を選ぶ方が増えています。

場面別の適否早見表

場面生花アーティフィシャルリース型
葬儀・通夜××
四十九日まで
四十九日以降の仏壇
命日・月命日
お盆・お彼岸
喪中見舞い
ペット供養

◎=よく選ばれる/○=問題ない/△=ご遺族や地域の慣習を確認してから/×=避ける

仏壇に造花を飾ること自体のマナーや宗派の考え方は、仏壇に造花はマナー違反?アーティフィシャルフラワーのお供えを徹底解説で詳しくまとめています。

枯れないお供え花の種類比較

「枯れない花」とひとことで言っても、素材はいくつかあります。違いを知っておくと選びやすくなります。

生花・プリザーブド・アーティフィシャル・ドライの違い

種類寿命の目安お手入れ水やり価格帯の感覚供花適性
生花数日〜2週間水替え・花がら摘み毎日手頃〜高め◎(儀式の場は生花一択)
プリザーブドフラワー1〜3年湿気・直射日光を避ける不要やや高め○(繊細で仏間向き)
アーティフィシャルフラワー数年以上ほこりを払う程度不要手頃〜中程度◎(丈夫で日常のお供え向き)
ドライフラワー数ヶ月〜1年湿気に弱い不要手頃△(「枯れた花」と捉える方も)

ドライフラワーは風合いが素敵な素材ですが、お供えに関しては「枯れゆく姿」を連想する方もいるため、気にされるご家庭には避けたほうが無難です。

アーティフィシャルフラワーが供花に選ばれる3つの安心

四素材の中でお花でござるがお供えにアーティフィシャルフラワーをおすすめする理由は3つあります。

まず、お手入れがほぼ不要なこと。ご高齢のご遺族に「水替えの負担」まで贈ってしまう心配がありません。次に、花粉も香りもないこと。アレルギーのある方がいるお宅や、香りに敏感な仏間でも安心です。そして夏場の衛生面。生花の花瓶は真夏になると水が傷み、においや虫の原因になりますが、アーティフィシャルフラワーならその心配ごと手放せます。

プリザーブドフラワーとの詳しい比較や素材選び全般は、枯れないお供え花の選び方もあわせてどうぞ。

供花リースの選び方

色の選び方——白・淡色を基調に、故人の好きだった色を一輪

供花の色は白が基本。そこにグリーンや淡い紫、淡いピンクを添えると、仏間にすっとなじみます。四十九日までは白のみ、それ以降は少しずつ色を入れてよい、というのが一般的な考え方です。

お花でござるで以前、「ひまわりが大好きだった父に」というご依頼を受けたことがあります。白いお花とグリーンを基調に、小ぶりのひまわりを一輪だけ。仕上がったリースをお渡ししたとき、「これなら仏壇の前で父が笑ってる気がします」と言っていただけました。白一色の決まりごとより、故人の好きだった色をそっと一輪。その一輪が、ご家族にとっての何よりの供養になると感じた仕事でした。

大きさと飾る場所——仏壇脇・壁掛け・手元供養スペース

仏壇の脇に置くなら直径20cm前後の小ぶりなサイズが扱いやすく、イーゼルや小さなスタンドに立てかけると安定します。壁に掛けるなら25〜30cmほどあると存在感が出ます。最近増えている手元供養のコーナーには、写真立てと並べられる15cm前後のミニリースがちょうどいいバランス。飾る場所を先に決めてから大きさを選ぶと失敗しません。

お供えに合う花の花言葉

花材花言葉お供えに合う理由
白菊「真実」「ご冥福をお祈りします」日本の供花の代表格。格式を重んじる場面に
白バラ「尊敬」「純潔」故人への敬意をまっすぐ表せる
カスミソウ「清らかな心」「感謝」主役の花をやわらかく包み込む
胡蝶蘭(白)「純粋」「幸福が飛んでくる」上品で、法要の贈り物にも選ばれる
白百合「純潔」「威厳」凛とした佇まいが追悼の場にふさわしい
リンドウ「誠実」「悲しんでいるあなたを愛する」秋のお彼岸に。花言葉がお悔やみの心そのもの
トルコキキョウ(白)「永遠の愛」「優美」ふんわりした花姿で、リースに柔らかさが出る

リンドウの「悲しんでいるあなたを愛する」は、ご遺族に寄り添う花言葉として、喪中見舞いのリースによくお入れしています。

供花の相場と贈るタイミング

一般的な供花の相場感

お供えの花の相場は、贈る相手との関係で変わります。市場の一般的な目安として、友人・知人へのお供えで5,000円〜10,000円前後、親族への法事の供花で10,000円〜20,000円前後がよく選ばれる価格帯です。枯れない花は長く飾ってもらえるぶん、同じ予算でも「もらってからの時間」が段違いに長くなります。お花でござるでは、ご予算に応じてサイズや花材を調整したカスタムオーダーを承っています。

喪中見舞い・命日・法事——贈る時期とメッセージの添え方

喪中はがきで訃報を知ったときは、松の内が明ける前、できれば年内に「喪中見舞い」としてお花を送るのが丁寧です。一周忌などの法事に贈るなら、当日はご遺族が忙しいので前日までに届くように手配します。命日や月命日のお供えは、当日か数日前の到着が目安です。

メッセージは長文にしなくて大丈夫。「お花が枯れないように、〇〇さんとの思い出もずっと色褪せません」「お手入れのいらないお花です。どうかご無理なさらず」。ひとこと添えるだけで、リースを選んだ理由がちゃんと伝わります。宛名はご遺族に、文面は故人を偲ぶ言葉を中心に。忌み言葉(重ね重ね・再び・続く など)を避けることだけ気をつけてください。

供花リースのよくある質問

Q. 造花のお供えは失礼にあたりますか?

四十九日以降の日常のお供えであれば失礼にはあたりません。仏教で大切なのは供養の心とされていて、花の素材に決まりはありません。ただし葬儀・通夜の場は生花が基本です。贈り先のご家庭が形式を重んじる場合は、ひとこと確認しておくとより安心です。

Q. 宗派によって違いはありますか?

浄土真宗・曹洞宗・真言宗など主要な宗派で、造花のお供えを明確に禁じているところはありません。一方で、お寺やご住職によって考え方が異なる場合はあります。お寺の本堂へのお供えは事前に確認を。ご自宅の仏壇に飾るぶんには、ご遺族の気持ちを優先して大丈夫です。

Q. いつ贈るのがよいですか?

四十九日の忌明け後が基本の目安です。具体的には、一周忌・三回忌などの法事、命日、お盆・お彼岸、喪中見舞いのタイミングがよく選ばれます。法事なら前日までに届くように手配してください。

Q. どれくらい飾れますか?

アーティフィシャルフラワーのリースは、直射日光を避けた室内なら数年単位で美しさを保ちます。お手入れは、ときどきほこりをやさしく払う程度。仏間は日当たりが穏やかな場所が多いので、供花リースには好条件です。

Q. ペットのお供えにも使えますか?

はい、ペット供養にはむしろリースがよく選ばれます。宗教的な決まりがないぶん自由度が高く、その子の毛色に合わせた色や、好きだった場所をイメージした花材でお作りするご依頼もあります。写真やお骨壷のそばに置ける小さなサイズが人気です。

お花でござるの供花リースづくり

お花でござるの供花リースは、一つひとつ手作業でお作りしています。ご依頼をいただいたら、まず故人やペットのお人柄・思い出・好きだった色をお伺いするところから。花材を仮組みして全体のバランスを確かめ、ワイヤーとグルーで一輪ずつ丁寧に固定していきます。仕上げに角度を整えて、どこから見てもきれいな円になっているかを確認して完成です。

冒頭でご紹介した一周忌のご相談も、その後カスタムオーダーでお作りしました。白いトルコキキョウとカスミソウを基調に、お母さまが好きだったという淡い藤色を差し色に。「仏壇の横が明るくなって、母に会いに来る親戚もみんな褒めてくれます」とご連絡をいただいたときは、この仕事をやっていてよかったと心から思いました。

既製のデザインからもお選びいただけますし、世界にひとつの供花リースのオーダーメイドも承っています。マルシェ出店時には実物を手に取ってご覧いただけますので、出店情報はInstagram(@ohanadegozaru)でご確認ください。

この記事を書いた店

お花でござる|アーティフィシャルフラワーリース専門店
枯れない花のリースを一つひとつ手作りでお届けしています。お祝いのリースから供花リースまで、暮らしに寄り添う花のかたちをご提案。本記事はリース専門店としての制作経験と、お客さまからいただいた実際のご相談をもとに執筆しています。