退職祝い・送別の花は持ち帰りやすさで選ぶ。職場から贈る枯れない花という気配り
「前の職場でもらった花束、帰りの電車で潰れちゃったんです」
マルシェに出店していたとき、リースを眺めていた女性のお客さまがそう話してくれました。定年退職の日、大きな花束と私物の紙袋を両手に抱えて満員電車に乗り、家に着いたらセロハンの中でバラの首が折れていたそうです。
お花でござるはアーティフィシャルフラワー(高級造花)のリース専門店です。退職祝いの花は、送別会で渡す瞬間の見栄えと同じくらい、持ち帰りやすさまで考えて選ぶのがおすすめ。この記事では、定年退職する女性上司への花のプレゼント選びを、相場のご相談実例と調査データをもとにお話しします。
冒頭のお客さまは「みんなの気持ちはうれしかったのに、申し訳なくて」と続けました。この話を聞いてから、退職祝いのご相談には必ず「渡したあと、その方はどうやって持ち帰りますか?」と聞くようにしています。送別会の幹事を任されて、部署のみんなから予算を集めて、あとは花を決めるだけ。そこで手が止まっている方に向けて書きました。
目次
定年退職の花のプレゼントと「40cm未満」という数字
花を受け取る側の92%は、長さ40cm未満の花を望んでいます。20cm未満だけで37%です(国産花き生産流通強化推進協議会「花の消費選好 2023年」)。贈る側が「せっかくだから大きく立派に」と考える一方で、受け取る側は小ぶりを望んでいる。このずれが、定年退職の花のプレゼント選びで一番見落とされているところです。
贈る側の「見栄え」と受け取る側の「小ぶり志向」のずれ
部署一同で贈る花には「代表して選んだのに貧相だったらどうしよう」というプレッシャーがかかります。幹事さんの気持ちとして、当然です。だから予算いっぱいの大きな花束に流れやすい。
でも受け取る側の視点はまったく別のところにあります。上の調査で20cm未満を望む人が4割近くいるのは、「飾る場所」と「持ち帰る手段」を現実的に考えているからです。大きい花束は、もらった瞬間がピークで、そのあとずっと本人の負担になります。
お花でござるのマルシェでも「花は好きだけど、大きいのは正直困る」という声を何度も聞いてきました。見栄えは、色の組み合わせと仕立てで出すもの。ここは専門店としてはっきりお伝えしたいところです。
退職当日の荷物・満員電車・二次会という現実の動線
定年退職の日を具体的に想像してみてください。デスク周りの私物を詰めた紙袋、記念品、みんなからの寄せ書き。両手はすでにふさがっています。そこへ長さ50cm超の花束が加わり、送別会のあとは二次会、帰りは夜の電車。
冒頭のお客さまの花束が潰れたのは、誰のせいでもありません。動線を考えると、潰れる条件がそろっていただけです。退職祝いの花は「渡す瞬間の絵」と同じくらい、「渡したあとの3時間」を考えて選ぶものだと、お花でござるは考えています。
もらった花のその後という視点
切り花は、余分な葉を取り、水中で茎を斜めに切り、毎日水を替えるといった手入れをして長持ちさせるものです(農林水産省 広報誌aff 2025年7月号)。花束を贈ることは、この手入れの時間もセットで贈ることになります。
花瓶がない・世話の時間がない・数日で手放す罪悪感
マルシェでお客さまとお話ししていると、「大きい花束が入る花瓶がなくて、バケツに挿した」「水替えを忘れて数日でだめにしてしまった」という打ち明け話をよく聞きます。中でも心に残っているのは、「枯れた花を捨てるとき、くれた人たちの顔が浮かんで罪悪感があった」という声です。
退職された方は、これから生活のリズムが変わります。旅行に出る方も多い。留守にすれば水替えは止まり、花はそこで終わります。贈った側は知らないままですが、受け取った側にはこの「その後」が確実に訪れます。
壁に掛けるだけのリースという選択
アーティフィシャルフラワーのリースは、水やり不要、花瓶不要、届いたら壁に掛けるだけです。玄関ドアや室内の壁に飾れば、毎日目に入る場所で色褪せずに残ります。
「退職の日にもらったリースを玄関に飾っていて、見るたびに職場のみんなを思い出す」。お花でござるで退職祝い用のリースをお求めになったお客さまから、後日そんなメッセージをいただいたことがあります。花束の華やかさはいずれ終わりますが、リースは記念品として残り続けます。賃貸でも傷をつけずに飾る方法は玄関ドアにリースを飾る方法で詳しく解説しています。
退職祝いの花の持ち帰りやすさ(花束・アレンジメント・リース)
退職祝いによく選ばれるサイズで、花束・アレンジメント・リースの持ち帰りやすさを整理します。サイズは一般的な中サイズを想定した目安で、商品によって前後します。
| 項目 | 花束(中サイズ) | アレンジメント | リース(直径25cm) |
|---|---|---|---|
| 全長・全高の目安 | 50cm前後 | 30cm台 | 25cm前後 |
| 幅の目安 | 30cm台 | 30cm前後 | 25cm前後 |
| 持ちにくさの理由 | 花の首が折れやすい | 器に重さが出る | 箱に入れれば型崩れしにくい |
| 手提げ袋 | 入らず抱えることが多い | マチの広い袋なら可 | A4対応の紙袋に収まる |
全長55cmの花束は、40cm未満を望む人が92%という先ほどの調査に照らすと、受け取る側の希望から大きく外れます。一方、直径25cmのリースは箱に入れてA4対応の紙袋にすっぽり収まり、重さは約300g。ペットボトル1本より軽い計算です。
満員電車を想定した持ち運びの違い
花束は片手で持つと花の首が下を向くため、人にぶつからないよう気を配りながら抱えることになります。アレンジメントは器に水や吸水スポンジが入るぶん重く、水平を保たないと崩れるので両手がふさがりがちです。箱入りのリースは紙袋に入れて片手で提げられるので、もう片方の手が空きます。
退職当日、荷物が多い方が電車で持ち帰る。この条件で比べるなら、答えははっきりしています。
「造花は手抜き」への答え
アーティフィシャルフラワーの退職祝いは、相手の荷物と退職後の暮らしまで考えた気配りの贈り物として選ばれています。手抜きだと受け取られた例を、お花でござるは聞いたことがありません。
アーティフィシャルフラワーの定義
アーティフィシャルフラワーとは、生花をリアルに再現してポリエステルやポリエチレンなどで造られた花のことです(日本アーティフィシャルフラワー協会)。耐久性が高く、水やりの必要がありません。100円ショップの造花を想像している方は、マルシェで実物を見て「え、これ本物じゃないんですか」と驚かれます。近づいて花びらの質感を確かめて、ようやく納得される。その距離感まで生花に近づいているのが今のアーティフィシャルフラワーです。
「失礼」説の中身と実際
「造花は『枯れない』が『縁が切れない』を連想させるから、退職祝いには向かない」という考え方も一部にはあります。ただ、この解釈が広く共有されているわけではありません。お花でござるのお客さまは「枯れない」を「感謝が色褪せない」「新しい門出がずっと続く」と受け取ってくださる方がほとんどです。
お花でござるでは、定年退職される上司への贈り物としてリースをお求めいただいた実例が何度もあります。ある職場の方々は「花の世話をさせたくない。でも花のない送別は寂しい」という理由でリースを選ばれました。贈られた方からは「毎日玄関で見ています」とお礼があったそうです。理由を添えて贈れば、手抜きどころか、いちばん考えた人の選択として伝わります。
造花のマナーが気になる方は仏壇に造花はマナー違反?も参考になります。お供えというマナーに厳しい場面ですら、造花は理由があれば選ばれています。天然素材の風合いが好みならソラフラワーのギフトという選択肢もあります。
女性上司への退職祝いに合う花と花言葉
50代後半の女性上司への退職祝いなら、上品さと感謝が伝わる色合わせが軸になります。花言葉は諸説ありますが、一般には次のようにいわれています。
| 花材 | 一般にいわれる花言葉 | 退職祝いに合う理由 |
|---|---|---|
| バラ(ピンク) | 「感謝」「上品」 | 感謝をまっすぐ伝えられる定番 |
| カーネーション(ピンク) | 「感謝」「温かい心」 | 女性への贈り物で外れがない |
| ガーベラ(オレンジ) | 「冒険心」「我慢強さ」 | 第二の人生の門出を明るく応援 |
| トルコキキョウ | 「優雅」「希望」 | 落ち着いた華やかさが大人の女性向き |
| アジサイ | 「家族の絆」「和気あいあい」 | 部署一同の連名ギフトに重なる |
店主のおすすめは、ピンクのバラを主役にアジサイとグリーンを合わせた組み合わせ。「感謝」と「和気あいあい」、部署のみんなから贈る花言葉としてきれいに揃います。
退職祝いの花の相場と渡し方
退職祝いの花の相場を考える出発点は、花のプレゼントの実際の購入価格「3,000〜5,000円」が45%と最多という数字です(国産花き生産流通強化推進協議会「花の消費選好 2023年」)。これは個人が花を贈るときの中心帯で、部署一同の連名なら、そこに一段上乗せしたご予算になるのが自然な流れです。実際、お花でござるにご相談いただく連名ギフトでは、5,000円〜10,000円のご予算が中心。部署で集めたその金額、ちょうど良いところに収まっています。
| 贈り方 | お花でござるでのご相談の実例 |
|---|---|
| 個人から親しい上司へ | 3,000円〜5,000円のご予算が多い |
| 部署・チームの連名 | 5,000円〜10,000円のご予算が中心 |
| 会社として特にお世話になった方へ | 10,000円前後からのご相談もある |
送別会での花のおすすめの渡し方
送別会の場で渡すのが基本です。花束贈呈の見せ場を作りたい場合も、リースなら箱から出して掲げるだけで絵になります。渡したあとは箱に戻して紙袋ごとお渡しすれば、二次会にもそのまま持って行けます。
厚生労働省の令和6年雇用動向調査によると、1年間の離職者は約720万人(離職率14.2%)。それだけ多くの職場で毎年「送る側」が生まれていますが、渡したあとの持ち帰りまで設計された贈呈は、まだ少数派です。だからこそ、そこまで考えた花は記憶に残ります。
よくある質問
退職祝いに造花を贈るのは失礼にあたりますか?
失礼にはあたりません。アーティフィシャルフラワーは水やり不要で長く飾れるため、相手の暮らしへの気配りとして選ばれています。「これからはお花の世話より、ご自身の時間を楽しんでください」とひと言添えると、選んだ理由まで伝わります。
送別会まで1週間しかありません。間に合いますか?
お花でござるでは、既製デザインのリースなら1週間で間に合うケースが多いです。カスタムオーダーは制作にお時間をいただくため、まずはお早めにご相談ください。お届け希望日を先に伝えていただくのが確実です。
花束とリース、両方渡すのはありですか?
ありです。贈呈の場では手渡ししやすいミニブーケを、記念に残る本命としてリースを、という組み合わせを選ばれた方もいます。予算に応じて配分を調整すれば、見せ場と実用性の両方が叶います。
リースはどこに飾ってもらえますか?
玄関ドア、室内の壁、リビングの棚上が定番です。直射日光の当たる場所を避ければ長く色を保てます。賃貸で壁に穴を開けたくない場合の飾り方は玄関ドアにリースを飾る方法にまとめています。
部署のみんなの気持ちを潰さずに届ける花選び
退職祝いの花選びで大切なのは、渡す瞬間の華やかさと、渡したあとの持ち帰りやすさの両方です。受け取る側の92%が40cm未満の花を望んでいるという数字は、幹事さんの背中を押してくれるはずです。
お花でござるのリースは、箱入りでA4対応の紙袋に収まり、片手で持ち帰れて、玄関に掛ければ何年も色褪せません。定年退職という大きな節目に、部署のみんなの「お疲れさまでした」を長く残るかたちで贈りたい方は、商品一覧からお好みの色合いを探してみてください。世界にひとつのデザインをご希望なら、カスタムオーダーでご相談も承ります。

大手銀行員や学童保育所指導員、情報新聞紙の記者兼編集者、都内にある造花専門店での受付など、さまざまな業種に勤務。
現在は2児の母をやりながら、アーティフィシャルフラワーを使用したリースを作り、イベント出展やネット販売しています。
【保有資格】
・フラワーデコレーター2級ライセンス
・保育士

