リースを室内の壁に飾る方法。賃貸で穴を開けず、落とさずに楽しむ道具と位置の決め方

「敷金から引かれるのが怖くて、買ったリースを1ヶ月床に置いたままなんです」

マルシェのブースで、以前お買い上げくださったお客さまがそう話してくださったことがあります。引っ越したばかりの賃貸マンションで、壁に画鋲を刺したらスカッと軽く入ってしまった。この壁、大丈夫なんだろうか。退去のときに何か言われるんじゃないか。そう思ったら手が止まって、リースは玄関の床に立てかけたまま1ヶ月が過ぎたそうです。

リースを壁に飾る方法を室内で探している方、賃貸で穴あけない壁の装飾を探している方から、この手のご相談は本当によく届きます。石膏ボードのフックの耐荷重はどれくらいか、リーススタンドの置き方はどうすればいいか、壁面に花のインテリアをリビングへ取り入れたいけれど何から手をつければいいか。調べるとネット上には「画鋲くらいなら大丈夫らしい」という伝聞ばかりで、誰が何を根拠にそう言っているのかがわからない。

だからこの記事は、国土交通省が公開している原状回復のガイドラインの原文を先に読むところから始めます。道具の話はその後です。壁の穴について国が何と書いているかを知れば、今週末に飾るかどうかの判断が自分でできるようになります。

目次

国のガイドラインが書いている、画鋲の穴の扱い

ポスターやカレンダーなどを掲示するために使った画鋲やピンの穴は、通常の損耗として扱われ、賃貸人(大家さん)の負担に分類されます。国土交通省住宅局の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」に、そのままの表現で書かれています。

ポスターやカレンダー等の掲示は、通常の生活において行われる範疇のものであり、そのために使用した画鋲、ピン等の穴は、通常の損耗と考えられる

「たぶん大丈夫」ではなく、国の文書にこう書いてある。ここが出発点です。ただし条件がついていて、対象になるのは「下地ボードの張替えは不要な程度のもの」。画鋲やピンの穴は下地ボードそのものを傷めないため、この範囲に収まるという考え方です。

表①:原状回復の負担区分(国土交通省ガイドラインより)

状態負担する側ガイドラインの考え方
画鋲・ピン等の穴(下地ボードの張替えが不要な程度)賃貸人(大家さん)掲示は通常の生活の範疇であり、通常の損耗と考えられる
くぎ穴・ネジ穴(重量物用で下地ボードの張替えが必要な程度)賃借人(借りている人)画鋲等に比べ深く範囲も広いため、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多い
壁に貼ったポスターや絵画の跡賃貸人(大家さん)通常の生活で生じるものとして分類
クロスの変色(日照など自然現象によるもの)賃貸人(大家さん)自然現象による変化として分類

この表の1行目と2行目の差が、この記事でいちばん大事なところです。同じ「壁に穴」でも、画鋲とネジでは扱いが分かれます。

借主負担になるのは「下地ボードの張替えが必要な程度」の穴

くぎ穴・ネジ穴が賃借人負担になる理由を、ガイドラインは「重量物の掲示等のためのくぎ、ネジ穴は、画鋲等のものに比べて深く、範囲も広いため、通常の使用による損耗を超えると判断されることが多い」と説明しています(国土交通省住宅局・原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)。

つまり分かれ目は、穴の数でも位置でもなく、深さと範囲。壁紙の下の石膏ボードまで貫通して、ボードごと替えないと直らない穴かどうかで判断されます。壁掛けテレビの金具や、大型の棚受けを想像するとわかりやすいと思います。

アーティフィシャルフラワーのリースは、この分類でいうと「重量物」からいちばん遠いところにいます。後で重さの話を詳しくしますが、そもそもネジで固定しなければならないほどの重さがありません。

賃貸で穴あけない壁の装飾を選ぶ、という国の示した選択肢

ガイドラインは家具の転倒防止措置について触れた箇所で、「予め、賃貸人の承諾、または、くぎやネジを使用しない方法等の検討が考えられる」と記しています(国土交通省住宅局)。

国が示している選択肢は2つ。事前に大家さんへ相談するか、くぎやネジを使わない方法を選ぶか。この考え方はリースを飾るときにもそのまま使えます。迷ったら管理会社にひと言確認する、あるいは穴を開けない方法を選ぶ。どちらでも筋は通ります。

お花でござるがマルシェでご相談を受けたとき、まずお伝えしているのがこの2択です。「大丈夫ですよ」と請け合うより、国がこう書いていますとお伝えするほうが、お客さまが自分で決められるからです。

契約書に特約がある場合は契約書の内容を確認する

ガイドラインは裁判例や取引の実務を踏まえた指針で、賃貸借契約そのものを上書きするものではありません。賃貸借契約書に原状回復の特約が書かれている場合は、まず契約書の記載を確認してください。

入居時に受け取った書類の「原状回復」「明渡し」「特約事項」という見出しのあたりに書かれていることが多いところ。壁への取り付けについて何か条件が書かれていないか、飾る前に目を通しておくと安心です。判断に迷う書き方だったら、管理会社に電話で聞くのがいちばん早いです。お客さまで実際に電話された方は、「拍子抜けするくらいあっさり、画鋲は構いませんと言われました」と教えてくださいました。

石膏ボードのフックの耐荷重と、リースの重さの突き合わせ

リースを落とさない方法は、飾るリースの重さを量って、使う道具の許容荷重の数字と突き合わせることです。感覚ではなく数字で確かめる。これだけで「ある日いきなり落ちる」心配はかなり減ります。

許容荷重は、道具のメーカーが「ここまでなら掛けてよい」と公表している数字です。製品ごとに違い、同じ製品でも取り付け方によって変わります。

表②:取り付け方法別の許容荷重

道具・取り付け方許容荷重備考
ピクチャーレールS-1+石膏クギセット(正面付け)3kg裏に下地がない石膏ボードでも取付可
ピクチャーレールS-1+マグネットブラケット(正面付け)1個あたり1kgスチール面に使用する
ピクチャーレールW-1・W-2・Lシリーズ(木下地・壁面/天井面)15kg木下地への取り付けが前提
粘着フック製品ごとの表示に従う製品の適用面表示に従う

数字はトーソー株式会社(TOSO)が公開しているピクチャーレールの製品情報によります(S-1シリーズ/ピクチャーレール一覧)。石膏クギセットを使ったS-1の正面付けで3kg、マグネットブラケットは1個あたり1kg、木下地に取り付けるW-1・W-2・Lシリーズは15kgです。

賃貸で穴を最小限にしたい場合、注目したいのはS-1の石膏クギセット。トーソーの製品情報には、裏に下地がない石膏ボード壁でも石膏クギで取り付けができ、正面付けの許容荷重は3kgと記載されています。

ただし、あいた穴が原状回復でどう扱われるかは、お花でござるが判断できることではありません。穴の程度の判断は貸主・管理会社に確認してください。取り付け前にひと言聞いておけば、退去のときに揉めません。

ピクチャーレールを使うもうひとつの利点が、一度付けてしまえば横方向の位置替えが自由になること。季節でリースを掛け替えても、穴が増えません。

アーティフィシャルフラワーのリースは軽い

お花でござるで作っているアーティフィシャルフラワーのリースは、直径20〜25cmの標準的なサイズで、実際に量ると数百グラムに収まるものがほとんどです。土台に使うのはツルや樹脂製のリング、花材はポリエステルなどの布と樹脂。重さのある素材を使っていません。

マルシェのブースでお客さまに手渡すと、ほぼ必ず「思ったより軽い」と言われます。見た目のボリュームに対して重さがないので、持った瞬間に驚かれる。「花屋さんで買った生花のスワッグより軽い」とおっしゃる方も多いです。

ただ、自分の家のリースが何グラムなのかは実際に量ってほしいです。キッチンスケールに載せるだけで済みます。数百グラムだとわかれば、許容荷重3kgのピクチャーレールに対して十分な余裕があることが、その場で確認できます。

石膏ボードは思うより弱くない

画鋲がスカッと刺さると壁が頼りなく感じますが、石膏ボードそのものはそこまで弱い材料ではありません。一般社団法人石膏ボード工業会は、壁の厚さについての解説で、人が壁に寄りかかったときに壁を押す力をおおよそ25kgとしたうえで、石膏ボードが厚くなるとたわみは大変小さくなると説明しています。

同じ解説によると、石膏ボードの厚さは9.5mm・12.5mm・15mm・21mmの4種類があり、近年の統計では12.5mm以上の製品比率が67%。つまり最近の住宅では、厚めのボードが使われていることのほうが多いという状況です。

画鋲が軽く入るのは、石膏ボードが押しピンを受け止める材料だからで、壊れているわけではありません。数百グラムのリースを掛けるのに、壁の強度そのものを心配する必要はないと考えていいところです。

マグネットが付かない玄関ドアがある

玄関ドアにマグネットでリースを掛けようとして失敗する原因の多くが、ドアの材質です。アルミ仕様の玄関ドアにはマグネットが付きません。LIXILの公式FAQには、「高断熱仕様」「断熱仕様」は表面材が鋼板のためマグネットが付き、「アルミ仕様」は材質がアルミのため付かないと記載されています。

室内の壁に飾る場合は関係のない話に思えますが、「玄関を通るたび目に入る場所」を探すときに、ドアも候補に挙がります。そのとき材質で詰まらないよう、先に整理しておきます。

表③:飾る面の素材と、使える取り付け方法

飾る面マグネット粘着フックピクチャーレール
石膏ボード壁(ビニル壁紙)付かない製品の適用面表示に従う石膏クギセットで可(3kg)
石膏ボード壁(紙系・繊維系壁紙)付かない製品の適用面表示に従う石膏クギセットで可(3kg)
コンクリート壁付かない製品の適用面表示に従う製品の施工説明書に従う
鋼板の玄関ドア(高断熱・断熱仕様)付く製品の適用面表示に従う対象外
アルミ仕様の玄関ドア付かない製品の適用面表示に従う対象外

粘着フックの欄をすべて「製品の適用面表示に従う」で揃えたのは、貼れる面・貼れない面がメーカーごとに違うからです。パッケージや説明書に、使える壁面と使えない壁面が必ず書かれています。買う前にそこを読むのがいちばん確実です。

そして壁紙自体にも何種類もあります。一般社団法人日本壁装協会は壁紙を「紙系壁紙」「繊維系壁紙」「塩化ビニル樹脂系壁紙」「プラスチック系壁紙」「無機質系壁紙」「その他」に分類しています。自分の部屋の壁紙がどれかは触ってみるだけではわかりにくいところ。粘着フックを使うなら、家具の陰など目立たない場所で一度試してから本番の位置に貼るのが確実です。

家のドアが鋼板かアルミかを確かめる

玄関ドアが鋼板かアルミかは、磁石を近づければ2秒でわかります。冷蔵庫に貼ってあるマグネットを1個持っていって、ドアの中央あたりに当ててみてください。

ただしLIXILの同じFAQには、鋼板でも磁力によっては付かない場合があるという注意書きもあります。弱いマグネットで試して付かなかったからアルミだと決めつけず、強めの磁石でもう一度確かめるほうが正確です。

電気錠のドアにマグネットを付けない理由

電気錠を使っているドアには、メーカーがマグネットの取り付けを推奨していません。LIXILの公式FAQに、電気錠使用時はマグネット取付を推奨しないと明記されています。

スマートキーやカードキーで開け閉めするタイプのドアが該当します。飾りたい気持ちはわかりますが、鍵の動作にかかわる部分なので、ここは素直に別の方法を選んでください。玄関ドアへの取り付けをもっと詳しく知りたい方は、玄関ドアにリースを飾る方法。賃貸・マンションでも傷つけず落とさない取り付け方で場所別に解説しています。

リーススタンドの置き方と、穴をひとつも開けない飾り方

壁の穴の心配をゼロにする方法は、壁に付けずに立てることです。リーススタンドに掛ける、家具の上に立てかける。取り付け作業がないぶん、今日の夜からでも飾れます。

「壁掛け以外は妥協」という感覚を持つ方が多いのですが、お花でござるがマルシェで商品を並べるときも、実は立てて見せることが多いです。立てたほうが花の立体感が出て、正面から見たときの表情が豊かになります。

リーススタンドに掛ける

リーススタンドは、リースを掛けるための自立式のスタンドです。アイアン製のシンプルなものが多く、リースの大きさに合わせてサイズを選びます。玄関の靴箱の上、リビングのサイドボードの上に置くだけで、壁と同じ高さに飾れます。

選ぶときに見てほしいのが土台の重さ。土台が軽いと、リースの重さで前に傾きます。リースを掛けたときに全体の重心がどこに来るかを考えて、土台がしっかりしたものを選んでください。

季節で掛け替える予定があるなら、スタンドは長く使えます。クリスマスからお正月への入れ替えも、掛け替えるだけで済みます。

チェスト・本棚・窓辺に立てかける

家具の上に立てかける場合は、滑り止めをひと手間かけてください。何も敷かずに立てかけると、床を歩いた振動や、ドアを閉めた風でじわじわ前にずれていきます。

お花でござるがおすすめしているのは、100円ショップで買える耐震ジェルマットを、リースの下側に小さく切って貼る方法。透明なので見た目に響かず、家具の表面も傷めません。フェルトの滑り止めシートを敷くだけでも違います。

窓辺に立てかけるのは光の入り方がきれいで人気の場所ですが、後で書くとおり直射日光が当たる場所は避けたほうがいいところ。レースのカーテン越しくらいがちょうどいいです。

立てかけで倒れるのを防ぐ

立てかけたリースが倒れる原因のほとんどが、壁との角度です。壁に対して立てすぎると、少しの振動で前に倒れます。

リースの下端を壁から少し離して、寄りかかる角度をつくってください。お花でござるがマルシェのブースで並べるときの目安は、リースの直径の1割から2割くらい手前に出すこと。直径25cmなら3〜5cmほどです。それ以上倒すと、今度は下端が滑り出しやすくなります。何度も並べ直して落ち着いたのがこの角度でした。

背の高い場所には立てかけないほうが安全です。落ちたときの衝撃が大きくなりますし、下に物があると巻き込みます。腰から目線くらいの高さの家具の上が、実用的な範囲です。

お花でござるがマルシェのブースで商品を並べるときも、テーブルの上に立てかけて見せています。人の行き来で振動がある場所ですが、耐震ジェルと角度でほとんど倒れません。1日の出店で倒れるとしても、お客さまが手に取ったときくらいです。

壁面インテリアとして花をリビングに置く位置の決め方

リースを飾る高さは、立ったときの目線よりやや下に中心が来る位置に置くと落ち着いて見えます。美術館の絵の掛け方も同じ考え方で、三重県立美術館は学芸員の仕事紹介(5)作品の展示で、絵の中心が床から145cm(大人の平均的な目の高さ)に来るように展示すると説明しています。

具体的には、床から145cm前後にリースの中心。壁の真ん中の高さに合わせると、多くの部屋では高すぎます。見上げる位置にあると、通りすがりに目に入りにくくなります。

壁の中央を外す

壁の横幅のちょうど真ん中にリースを置くと、左右対称になりすぎて空間が硬く見えます。少しずらすと動きが出ます。

おすすめは、家具の位置を基準にすること。チェストの上なら、チェストの中心に合わせる。ソファの脇なら、ソファの端から少し内側に。壁を基準にせず、その下にある家具や動線を基準にすると、部屋になじみます。

玄関からリビングへ入る動線上にあるなら、入ってきたときに正面に見える壁が最有力です。廊下を歩きながら視界に入る位置を、実際に歩いて確かめてみてください。

照明との関係

リースの真上にダウンライトがあると、上から光が当たって花の下側に影ができます。立体感が出る反面、花の色が暗く見えることがあります。

正面か斜め前から光が当たる位置がいちばんきれいに見えます。飾る候補の壁の前にリースを持っていって、夜の照明をつけた状態で見てみると違いがわかります。昼と夜で見え方が変わるので、両方確かめておくと後悔しません。

リースの直径と壁の余白のバランス

リースの直径に対して、周囲にどれくらい余白を取るか。お花でござるがマルシェのブースで商品を並べるときの目安は、上下左右に直径の半分以上を空けること。直径25cmのリースなら、周囲に12cm以上の空きです。これより詰めると、隣のものと干渉して窮屈に見えました。

狭い壁面に大きなリースを飾ると、壁が埋まって圧迫感が出ます。逆に広い壁に小さなリースをひとつ飾ると寂しく見えるので、その場合は小さな写真立てや花瓶を近くに置いて、まとまりをつくると収まります。

お花でござるのお客さまで、リビングの壁にリースを1つと、その斜め下に小さなグリーンの鉢を置いた方がいます。写真を送ってくださったのですが、2つの間に距離感があって、壁全体がちょうどよく埋まっていました。リースを中心に据えて、その周りを組み立てる考え方です。

室内でも色は褪せる ― 置き場所の条件

アーティフィシャルフラワーは屋内で使うことが推奨されていて、直射日光が当たる場所では色落ちすることがあります。株式会社シモジマはアーティフィシャルフラワーの解説記事で、「商品によっては直射日光や屋外での装飾により色落ちをする場合があります。極力屋内での使用をオススメします」と説明しています。

室内に飾るなら屋外より条件はずっといいのですが、窓際の直射日光が当たる場所は別です。南向きの掃き出し窓の横、西日が差し込む廊下。こういう場所は、色の変化が早く出ます。

同じ記事によると、アーティフィシャルフラワーの手入れは基本的に不要で、長期間飾る場合はホコリを拭き取るくらい。水やりも花瓶の洗浄もいりません。掃除の手間を考えると、賃貸の室内に飾る花としてはかなり扱いやすい部類です。

湿気についても触れておきます。厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では、相対湿度は40%以上70%以下、温度は18℃以上28℃以下(令和4年4月1日以降)とされています。これは建築物衛生法にもとづき特定建築物の所有者等に適用される基準で、一般の住宅が守らなければならない数字ではありません。ただ、室内環境の目安としては参考になります。この範囲に収まっている部屋なら、リースにとっても悪い環境ではありません。浴室の前やキッチンのコンロ脇など、湿気や油煙が集まる場所は避けてください。

ホコリの落とし方は造花リースのほこり掃除と長持ちのコツに、屋外に飾る場合の注意点はリースを玄関ドアの外に飾るときの注意点にまとめています。

道具にかける予算の考え方

賃貸の壁にリースを飾る道具は、何にいくらかけるかを「穴を開けたくない度合い」と「掛け替える頻度」で決めると迷いません。価格は販売店や時期で動くので、ここでは方法ごとの高い安いの関係だけ書きます。

いちばん安く済むのが立てて飾る方法です。滑り止めの耐震ジェルマットだけなら100円ショップで揃いますし、リーススタンドを足しても、この記事で挙げた道具の中では安いほうに入ります。取り付け作業がないので、今日買って今日飾れるのも利点です。

壁に掛けたい場合、画鋲やピン用のフックが次に手軽です。国土交通省のガイドラインで通常損耗に分類される範囲の穴で済みます。ピクチャーレールはこの中でいちばん高くつく方法で、レール本体と石膏クギセットを揃える必要があります。掛け替えの自由度と許容荷重3kgを買う投資として考えるとわかりやすいです。

粘着フックは道具そのものは安いのですが、壁紙の種類によっては剥がすときに表面を持っていく恐れがあります。壁紙の状態がわからない賃貸では、目立たない場所での試し貼りをはさんでください。安さだけで選ぶと、結果的に壁紙の張替え費用のほうが高くつきます。

よくある質問

賃貸の壁に画鋲を刺しても敷金は引かれますか

ポスターやカレンダー等の掲示に使った画鋲・ピンの穴は、国土交通省のガイドラインで通常の損耗として賃貸人負担に分類されています(原状回復をめぐるトラブルとガイドライン)。ただし対象は下地ボードの張替えが不要な程度の穴で、賃貸借契約書に特約がある場合は契約書の内容を確認してください。

石膏ボードの壁にリースを掛けても壁は壊れませんか

石膏ボードは、人が寄りかかったときの力をおおよそ25kgと想定した解説が石膏ボード工業会から公開されており、厚さが増すとたわみは大変小さくなるとされています(石膏ボード工業会)。数百グラムのアーティフィシャルフラワーのリースを掛ける用途で、壁の強度を心配する必要はありません。

粘着フックでリースを掛けても落ちませんか

粘着フックの可否は製品ごとの許容荷重表示と、貼れる面として製品が示している範囲で決まります。まずパッケージの適用面表示を確認してください。壁紙は日本壁装協会の分類で紙系・繊維系・塩化ビニル樹脂系など複数の種類があり(日本壁装協会)、自分の部屋がどれかは見た目で判断しにくいので、目立たない場所で試し貼りをしてから使うのが確実です。

ピクチャーレールは賃貸でも使えますか

トーソーのピクチャーレールS-1は石膏クギセットを使うと、裏に下地がない石膏ボード壁でも取り付けでき、正面付けの許容荷重は3kgです(トーソー公式)。あいた穴が原状回復でどう扱われるかは物件ごとの判断になるため、取り付け前に賃貸借契約書の特約を確認し、貸主・管理会社へ相談してください。

玄関ドアにマグネットが付きません

玄関ドアが「アルミ仕様」の場合、材質がアルミのためマグネットは付きません。「高断熱仕様」「断熱仕様」は表面材が鋼板のため付きますが、鋼板でも磁力によっては付かない場合があります(LIXIL公式FAQ)。また電気錠を使用しているドアには、マグネットの取り付けは推奨されていません。

穴を開けずにリースを飾る方法はありますか

リーススタンドに掛ける方法と、チェストや本棚の上に立てかける方法があります。国土交通省のガイドラインも、家具の転倒防止措置について「予め、賃貸人の承諾、または、くぎやネジを使用しない方法等の検討が考えられる」と記しており、くぎ・ネジを使わない方法は国が示す選択肢のひとつです。立てかける場合は耐震ジェルマットなどの滑り止めを併用してください。

アーティフィシャルフラワーのリースは室内なら色褪せませんか

アーティフィシャルフラワーは屋内での使用が推奨されていますが、室内でも直射日光が当たる場所では色落ちすることがあります(シモジマ)。南向きの窓際や西日が差す場所を避け、レースのカーテン越しくらいの明るさの場所を選んでください。手入れは基本的に不要で、長期間飾る場合にホコリを拭き取る程度です。

リースはどのくらいの高さに飾るのがいいですか

床から145cm前後にリースの中心が来る高さが目安です。三重県立美術館は作品の展示についての解説で、絵の中心を床から145cm(大人の平均的な目の高さ)に合わせて展示すると説明しています。壁の中央より、その下に置く家具の位置を基準にすると部屋になじみます。

床に置いたままのリースを、今週末に壁へ

冒頭のお客さまは、あのあとピクチャーレールを買って、リビングの壁に飾られました。マルシェで再会したときに「1ヶ月悩んだのが馬鹿みたいでした」と笑っていらっしゃって、お花でござるとしてはうれしいような、もっと早くこの話をすればよかったような気持ちでした。

判断に必要なものは、実は3つだけです。国土交通省のガイドラインが画鋲の穴を通常損耗としていること。手元のリースの重さを量ること。使う道具の許容荷重の数字を見ること。この3つが揃えば、壁に飾るか立てて飾るかを自分で決められます。

賃貸だからと諦める必要はありません。穴を開けない方法もありますし、開けるとしてもどこまでが通常の範囲かは国の文書に書かれています。玄関を通るたび目に入る場所に好きな花があるというのは、毎日の気分をたしかに変えてくれます。

お花でござるのリースは、マルシェのブースでは実際に手に取って重さを確かめていただけます。オンラインの商品一覧からもお選びいただけますし、飾る場所の写真を添えてカスタムオーダーでご相談いただければ、その壁に合うサイズと色でお作りします。予算に応じて花材やサイズを調整できますので、置きたい場所が決まっている方はぜひ壁の幅と高さを測ってからご相談ください。

季節ごとの掛け替えを考えている方は玄関リースを一年じゅう楽しむ飾り替えの目安を、リースとスワッグで迷っている方はリースとスワッグの違いとは?もあわせてどうぞ。