初盆・新盆のお供え花。お盆の間だけ飾る花を、枯れない造花で用意する考え方

初盆のお供え花は、贈って終わりではありません。13日に飾って、16日に外す。その四日間ずっと、仏壇や祭壇の前に置かれ続けます。親戚が集まる日も、法要が営まれる日も、飾りはじめた当日ではありません。つまり、届いた瞬間がいちばんきれいな花は、いちばん人が見る日にはもう盛りを過ぎています。

この記事では、新盆の法要の準備として何をいつ確認するか、新盆ののしの書き方、初盆の花の相場の決め方、お盆の仏花の交換と片づけまでを、一本の時間の線に沿って並べました。造花を扱う店として、宗派の公式見解で造花が避けられている事実も先に出します。

お花でござるがおすすめするのは、初盆の花を「四日間同じ顔でいられるか」から逆算して選ぶことです。

お盆の花に求められるのは、四日間同じ顔でいること

初盆のお供え花は、飾りはじめから片づけまで四日前後そのままの姿を保つことが求められます。届いた日ではなく、法要の日に最もきれいであることが条件になります。

13日から16日という区切り

お盆の期間は、7月13日から16日、または月遅れの8月13日から16日とする地域が多いとされています(天台宗の解説)。浄土真宗本願寺派も、お盆は8月15日、一部地域では7月15日と案内しています(浄土真宗本願寺派)。

7月盆と8月盆に分かれた理由は、明治5年(1872年)11月に発表された太陽暦への改暦です。明治5年12月3日がそのまま明治6年1月1日になり、以後、旧来の日付どおり7月に行う地域と、月遅れの8月に行う地域に分かれました(有田町歴史民俗資料館)。

そもそも盂蘭盆会は、5世紀頃に中国で成立したとみられる『盂蘭盆経』に由来するとされ、日本書紀には推古14年(606)に4月8日と7月15日の斎、斉明3年(657)に盂蘭盆会の記事があります(奈良文化財研究所 飛鳥資料館)。千四百年の積み重ねのうえに、改暦でできた7月と8月の分かれ道がある。地域によって日付が違うのは、いい加減だからではありません。

義実家が7月盆なのか8月盆なのか。ここを取り違えると、手配そのものが一か月ずれます。義母に確認する最初の一言は、花の種類ではなく日付です。

東京8月の日最高気温の平均31.3℃という条件

花を飾る四日間が、一年でいちばん暑い時期に重なります。気象庁の平年値(1991〜2020年)によると、東京の8月は平均気温26.9℃、日最高気温の平均31.3℃、日最低気温の平均23.5℃。7月も平均気温25.7℃、日最高気温の平均29.9℃です(気象庁の平年値)。

親戚が集まる日には冷房が入っていても、朝晩や留守の時間は冷房が止まります。仏壇は窓際や廊下寄りに置かれていることも多く、日中の直射が当たる家もあります。生花にとっては厳しい四日間。

法要の日に一番きれいであってほしい、という逆算

法要の日は菩提寺の都合で決まります。何日の何時に来ていただくのか、まずそこを必ず確認してください。日付が決まらないまま花だけ先に手配すると、ピークの合わせようがありません。

13日に飾りはじめて、法要が二日目や三日目になることもあれば、盆入り当日に来ていただく家もあります。生花でその日に合わせるなら、「法要の日に満開になる状態」で手配する必要がある。盆入り前日までに届けたい、でもピークは法要の日に置きたい。この二つを同時に満たすのは、花屋さんに日付と事情を伝えて相談しない限り難しい注文です。

枯れない花、つまりアーティフィシャルフラワーやプリザーブドフラワーなら、この逆算そのものが不要になります。盆入りの数日前に届いても、16日の夕方まで同じ顔。法要の日取りが後から動いても影響を受けません。手配を早めても損がない点が、締切に追われている人にとっていちばんの利点です。

浄土真宗本願寺派は「造花は避けましょう」と書いている

浄土真宗本願寺派は、お盆の花について「とげ花、悪臭花、毒花、造花は避けましょう」と公式サイトに明記しています。造花を扱う店として、この事実を先にお伝えします。

公式に書かれている内容そのまま

浄土真宗本願寺派の「お盆」の案内には、お仏壇の荘厳(しょうごん)について、とげのある花・においの強い花・毒のある花・造花は避け、季節の花をいけるようにと書かれています。造花を名指しで避けるよう案内している宗派があるということです。

義実家が浄土真宗本願寺派であれば、仏壇にいける花は季節の生花にする。これが筋です。

三具足と盆棚。宗派で作法そのものが変わる

浄土真宗本願寺派では、蝋燭立・香炉・花瓶の三具足が基本で、盆棚・精霊棚は用いないとされています。線香は立てず寝かせます。さらに「追善供養は必要ありませんし、精霊棚、施餓鬼棚もいりません」とも案内されています(浄土真宗本願寺派「お盆を迎える心持ち」)。

一方、天台宗の解説では、位牌を安置して供物をそなえる精霊棚(盆棚)を設け、地域によっては新盆提灯・新盆灯篭を飾るとされています(天台宗)。同じ「初盆の準備」でも、宗派によって用意するものが根本から違います。

初盆・新盆とは、四十九日(満中陰)の忌明け後にはじめて迎えるお盆のことです(天台宗)。義父を見送ってから忌明けが済んでいるかどうかで、今年が初盆にあたるかが決まります。ここも義母に確認しておきたい一点。

新盆の法要の準備で、先に確認する五つ

新盆の法要の準備は、①今年が初盆にあたるか ②7月盆か8月盆か ③宗派 ④お寺さんが来るのは何日の何時か ⑤花は自分が用意するのか、義母がもう頼んでいるのか、の五つを確認することから始まります。

この五つが埋まれば、「何をどう揃えればいいか分からない」状態はほぼ解けます。紙に書き出して電話口で順に聞いていくと、聞き漏らしがありません。逆に、どれか一つでも空欄のまま花屋さんに電話をすると、日付も色も規模も決められず、二度手間になります。

聞きにくいと感じるなら、最初に「準備をちゃんとしたいので教えてください」と置いてから入ると通りがよくなります。確認の電話は一本で済ませたほうが、義母の負担も軽くなります。

お花でござるがこの事実を先に出す理由

造花のリースを作って売っている店が、「造花は避けましょう」と書いてある公式見解をわざわざ紹介するのは、恥をかかないことを最優先にしている人に向けて書いているからです。

後から親戚に「うちの宗派では造花はいけないのよ」と言われる事態こそ、避けたいはず。宗派の作法が決まっている場所には、その作法どおりのものを置く。造花が向くのは、作法が定まっていない場所です。次の見出しで、その線引きを場所ごとに分けます。

仏壇・墓前・玄関。置く場所で答えが変わる

初盆の花は、置く場所ごとに向き不向きが変わります。仏壇にいける花と、玄関で親戚を迎える花は、同じ基準で選ぶものではありません。

置く場所生花造花根拠・考え方
仏壇(本尊前の花瓶)向く宗派による浄土真宗本願寺派は造花を避け季節の花をいけると案内(出典)
盆棚・精霊棚向く宗派による天台宗は精霊棚に位牌を安置し供物をそなえるとする/本願寺派は盆棚を用いない
墓前向く自治体の運用を確認秋田市は市営墓地で造花も状況により片付けると案内(出典)
玄関・室内(客間など)水替えが必要向く作法の定めがなく、数日飾りっぱなしになる場所

この表の要点を文章でも書きます。仏壇と盆棚は宗派の作法が優先。墓前は自治体や霊園の運用を確認。玄関や客間は自由度が高く、四日間手をかけずに飾れる造花が向きます。

墓前は自治体の運用差がある

お墓に花を供えるときは、その墓地の管理者がどう運用しているかを先に見ます。秋田市は市営墓地の案内で「供物、骨箱、卒塔婆、ゴミなどは、必ずお持ち帰りください」とし、花については「お花につきましては、秋田市で片付けます。なお、造花についても状況により片付けます」と書いています(秋田市の墓地の案内)。

造花を禁止しているわけではありません。ただ、片付けられる場合があると明記されています。お盆のあいだだけ供えて持ち帰るなら問題になりにくい一方、置きっぱなしにする前提なら管理者に一言確認したほうが安全です。

寺院墓地や民営霊園は、それぞれ独自の取り決めがあります。義実家のお墓がどこの管理かを聞いておくと、当日あわてません。

玄関や室内で親戚を迎える設え

遠方から親戚が来る家では、玄関を通らない人はいません。仏壇の前に長く座るのは法要の間だけですが、玄関は全員が必ず目にする場所。

ここに季節の花を一つ置いておくと、家全体が迎える姿勢に見えます。水を使わない花なら、来客の合間に水替えに走る必要もありません。初盆は料理やお茶出しで台所から離れられない日。玄関まで手が回らない前提で設えを組むのが現実的です。

お花でござるがおすすめしたいのは、玄関の内側、靴を脱いで上がった正面の壁。ドアの外は真夏の直射と雨を受けますが、内側なら退色の心配がほとんどありません。来た人が顔を上げた高さに一つあるだけで、迎えている家だと伝わります。マルシェでリースを手に取ってもらうと「思ったより軽い」と言われることが多く、軽さは石膏ボードの壁でもフックひとつで掛けられる理由になります。

飾り方の実務はリースを室内の壁に飾る方法と玄関ドアにリースを飾る方法にまとめています。仏壇まわりで造花を使ってよいかの考え方は仏壇に造花はマナー違反?、供花としてリースを選ぶ場合は供花リースという選択をあわせてどうぞ。

お供え花の色と花材

初盆のお供え花は、白を基調に淡い色を加えた構成が一般的です。白でなければならないという決まりはなく、地域や家の習わしで色の入れ方は変わります。

白を基調にする慣習

四十九日を過ぎた初盆では、白一色から少し色を足す家も多いとされています。紫、淡いピンク、薄い黄色あたりが加えられることが多い組み合わせ。ただし、どこまで色を入れてよいかは家や地域の感覚によるので、迷ったら白を軸に、差し色を控えめにしておくと外しにくくなります。

義母が毎年どんな花を供えているかを見るのが、いちばん確実な答え合わせです。去年までの仏壇の写真が残っていれば、それが正解の見本。仏間で撮った法事の集合写真の背景にも、たいてい映り込んでいます。

避けたい花

浄土真宗本願寺派は、お盆の花として避けるものを具体的に挙げています(出典)。

避けるもの具体例理由として挙げられている点
とげのある花バラ、アザミなどとげ花は避けるようにと案内されている
においの強い花香りの濃い百合類など悪臭花を避けるようにと案内されている
毒のある花スイセン、ヒガンバナなど毒花を避けるようにと案内されている
造花アーティフィシャルフラワー造花は避け、季節の花をいけるよう案内されている

この四つは、浄土真宗本願寺派がお盆の花について避けるよう案内しているものです。他の宗派が同じ扱いをしているかはそれぞれの寺院に確認してください。避けるものの考え方は、宗派ごとに聞くのがいちばん早道です。

花の意味と使われ方

お供えによく使われる花と、一般に言われている花言葉をまとめました。花言葉は由来が複数あり、地域や文献で割れることもあるため、断定せずに添えるくらいがちょうどよい情報です。

花材一般に言われる花言葉お供えでの使われ方
白菊「誠実」「真実」などとされています仏花の中心に使われる定番
白百合(カサブランカなど)「純潔」「威厳」などとされています香りが強い品種は仏壇では控えめに
トルコキキョウ「優美」「希望」などとされています白や淡い紫で上品にまとまる
カーネーション(白・淡色)「純粋な愛」「尊敬」などとされています故人への敬意を表す色合わせに
りんどう「悲しんでいるあなたを愛する」などとされています秋口の仏花に使われる紫
ケイトウ「おしゃれ」「色あせぬ恋」などとされていますお盆の時期の季節花として
ミソハギ「愛の悲しみ」などとされています盆花として供える地域がある

お花でござるが好きなお供えの組み合わせは、白のバラを使わずに、白菊・トルコキキョウ・淡い紫のりんどうでまとめる形。とげの話を気にせずに済んで、色数が少ないぶん仏壇の前でうるさくなりません。紫を一輪だけ入れると、白ばかりの中で奥行きが出ます。

造花を選ぶなら見る五か所

造花を選ぶときは、花びらの縁、葉の葉脈、茎の太さと質感、花の中心(しべ)、全体のつや。この五か所を見れば、安く見えるものかどうかが判別できます。初盆という場では、安っぽく見えることがいちばんの失点になります。

とくに効くのが、つやと花の中心です。全体がてかっているもの、しべが省略されて平らなものは、仏壇の照明の下で作り物とすぐ分かります。マルシェでリースを手に取った方から「これ、造花なんですか?」とよく聞かれるのは、この二か所がちゃんと作られている花材を選んでいるからです。

見分け方は造花が安っぽく見える理由と見分け方に五か所それぞれの判断基準を書きました。枯れないお供え花全般の選び方は枯れないお供え花の選び方にまとめています。

届ける日と、新盆ののしの書き方

初盆のお供え花は、盆入りの前日までに届いている状態を目指します。新盆ののしの書き方は、表書きが「御供」または「御供物」で、弔事なので「のし」の印刷がない掛け紙に、結び切りの水引を使います。

盆入り前日までに飾られている状態

手配の時期を逆算した早見表です。8月盆(13〜16日)を前提に並べています。7月盆の家なら、そのまま一か月前倒しにしてください。

時期やること
7月下旬まで今年が初盆か、7月盆か8月盆か、宗派、法要の日時を義母に確認
8月上旬(盆の1週間前)花を注文。掛け紙の表書きも同時に依頼
8月11〜12日(盆入り前日まで)届いている状態にする。生花なら水揚げ、造花なら箱から出して形を整える
8月13日飾る。仏壇・盆棚・玄関それぞれに配置
菩提寺に確認した法要の日いちばん見られる日。この日の見え方が全部
8月16日の夕方以降片づけ

宅配便はお盆の時期に荷物が増えます。前日ぎりぎりの到着指定は避けて、二日前くらいに余裕を持たせておくと安心です。お花でござるの場合、商品一覧の在庫品は注文から1週間以内、カスタムオーダーは相談から納品まで2〜3週間ほどが目安。初盆に間に合わせるなら、在庫品を選ぶか、早めに相談するかの二択になります。

表書きは「御供」「御供物」

弔事の掛け紙について、All Aboutの解説では、「のし」が印刷されていない掛け紙を使い、水引は結び切りにするとされています。色は関東が黒白、関西では四十九日法要から黄色を使うとされ、表書きは上段に「御仏前」「御供物」「御供」、下段に氏名を書くとまとめられています。

地域と宗派で違いが出る部分なので、断定はできません。ただ「御供」は使える範囲が広く、初盆のお供え花につける表書きとしては選びやすい言葉です。迷ったら「御供」。これが実際的な答えです。

のし早見表

立場表書きの候補掛け紙・水引
同居・近い親族として供える御供/御供物のし無しの掛け紙・結び切り
嫁いだ先の初盆に自分の名で供える御供のし無しの掛け紙・結び切り。下段は夫婦連名か世帯主名
親族以外が訪問して供える御供/御仏前のし無しの掛け紙・結び切り

水引の色は関東が黒白、関西は四十九日法要から黄色を使うとされています(All About)。義実家の地域に合わせるのが基本です。

迷ったら義母か菩提寺に一言確認する

表書き、水引の色、花の種類。どれも地域とお寺で違いが出ます。インターネットで調べた一般論より、義実家が毎年どうしてきたかのほうが優先されます。

聞き方は「御供でよかったですか」でいいと思います。確認した人が非常識に見えることはありません。黙って間違えるほうが、よほど気まずい結果になります。菩提寺に電話して「造花をお供えしてもよいでしょうか」と聞くのも、まったく失礼にあたりません。お寺さんは年に何度も同じ質問を受けています。

初盆の花の相場と、予算の決め方

初盆の花の相場として、公的な統計はありません。「相場はいくら」と言い切れる数字が存在しないのが正直なところです。だから金額から入らず、義母が例年どうしているかに合わせます。

義母が例年供えている物に合わせる

いちばん確実な決め方は、去年までに義実家で供えてきた花を見ることです。仏壇の前に置かれていた大きさ、花の本数、一対か一基か。同じくらいの規模のものを用意すれば、多すぎても少なすぎてもなりません。

聞き方も難しく考えなくて大丈夫です。「去年はどのくらいのものを用意されましたか」と尋ねれば、義母は具体的に答えられます。金額を直接聞きにくければ、大きさと花の種類だけでも十分。そこから花屋さんや当店に「このくらいの大きさで」と頼めば形になります。

お花でござるのリースは予算に応じてご相談いただけます。大きさと花材の数で価格が決まるので、「この金額で、お供え向きの色合いで」という頼み方が通ります。マルシェやカスタムオーダーでも、お供えの贈り物としてご相談を受けたことがあります。ご予算を先に言っていただくほうが、こちらも提案しやすくなります。

金額の幅より、法要の日に間に合うかで決める

初盆で評価されるのは、いくら使ったかではありません。法要の日に、ちゃんと飾られているかどうか。

同じ予算なら、法要の日にしおれている高い生花より、同じ顔で四日間立っている花のほうが、結果として場を整えます。間に合わないかもしれない手配を粘るより、確実に届く選択に切り替える判断を、盆入りの一週間前にはしておきたいところ。

お盆の仏花の交換と、16日の片づけ

お盆の仏花の交換は、暑さで傷んだ生花を期間中に入れ替える作業と、16日に外す片づけの二段階に分かれます。造花は汚れを取って保管すれば翌年も使え、墓前に供えたものは持ち帰りを求める墓地が多い点に注意が必要です。

期間中に生花を入れ替えるかどうか

生花を13日から16日まで飾るなら、途中で傷んだ分を入れ替える前提で考えます。東京の8月は日最高気温の平均が31.3℃(気象庁の平年値)。冷房が止まる夜間と留守中に、花は確実に進みます。

入れ替える可能性があるなら、注文のときに同じ花材を少し多めに頼んでおくと、当日買い足しに走らずに済みます。お盆の期間は花屋さんも混み合うので、15日に買いに行って希望の花がない事態も起こります。

水替えは毎日。暑い時期は水が濁りやすく、茎の切り口も傷みます。親戚の出入りで台所が埋まっている日に、この作業を挟めるかどうかが判断の分かれ目です。玄関や客間の花だけでも水のいらないものにしておけば、手をかける先が仏壇一か所に絞れます。

生花は外す。造花は保管して翌年へ

生花は16日の夕方以降に外します。暑い時期なので、そのまま置いておくと傷みが出ます。

造花は、ほこりを払って箱に戻せば翌年の初盆以降も使えます。一周忌、三回忌と法要が続く家では、同じものを出し入れすることになるので、しまい方を最初に決めておくと毎年が楽になります。箱に「お盆・仏壇用」と書いて貼っておくだけでも、翌年探す手間が消えます。

墓前に置いたままにしない

墓地に供えた花や供物は、持ち帰るよう案内している自治体があります。秋田市は市営墓地について「供物、骨箱、卒塔婆、ゴミなどは、必ずお持ち帰りください」とし、花は市で片付ける、造花についても状況により片付けると案内しています(秋田市)。

墓前に造花を供えるなら、お盆の期間だけ置いて16日に持ち帰る。この形なら管理者の手を煩わせません。

屋外に出しっぱなしにすると退色が早い

造花を屋外に置くと劣化が進みます。横浜ディスプレイミュージアムは、造花について屋外でも使用できるものの「通常より早く劣化します」とし、「直射日光は退色の原因となり、雨滴は色落ちやサビの原因」になると説明しています(横浜ディスプレイミュージアム)。

真夏の墓前は、直射日光と夕立の両方を受ける場所です。四日間だけなら大きく傷みませんが、一年置きっぱなしにすれば色は確実に抜けます。翌年も使いたいなら、持ち帰って室内にしまうのが前提になります。

屋外に飾る前提のものを作る場合、お花でござるは花材や留め方を屋外向けに変えて作っています。墓前用に考えている方は、注文のときに屋外で使う旨を伝えてください。屋外でのリースの扱いはリースを玄関ドアの外に飾るときの注意点にまとめています。

来年も使うための収納とほこり取り

しまうときは、乾いた布でほこりを取ってから箱に入れます。横浜ディスプレイミュージアムも、造花の手入れとして乾いた布でほこりを取る方法を挙げています(出典)。

箱は、押しつぶされない硬さのものを選びます。花びらに重みがかかると形が戻らなくなるので、上に物を積まない場所へ。押し入れの上段か、使っていない引き出しが向きます。届いたときの箱を取っておけば、それがいちばん寸法の合う保管箱になります。

細かい手入れの手順は造花リースのほこり掃除と長持ちのコツに、傷んできたときの判断と処分はリースや造花の手放しどきと捨て方に書きました。

帰省できない人、留守にする家の初盆

初盆に帰省できない場合は、花だけを先に送り、盆入り前日までに届くよう手配します。家を数日空けるなら、水を使わない花を選びます。

当日行けないときに花だけ先に届ける段取り

仕事や距離の事情で初盆に行けないときは、盆入りの一日か二日前に届くよう花を送ります。生花だと、受け取った家族が水揚げと花瓶の用意をすることになるので、受け取る人の手間まで考えると水のいらない花が向きます。

添え状を一筆つけると、行けない事情が伝わります。長い文章は要りません。伺えないお詫びと、お供えくださいという一行で十分。お花でござるはメッセージカードに対応しているので、箱を開けた瞬間に気持ちが届く形にもできます。

数日家を空けるなら水を使わない花

逆に、自分の家を数日空けて義実家へ帰省する場合、自宅の仏壇に供えた生花は留守の間に傷みます。東京8月の日最高気温の平均は31.3℃(気象庁平年値)。留守中の室内も冷房が止まるため、生花には厳しい環境です。

帰ってきたら傷んだ花が待っている。この状況を避けるなら、留守にする側の仏壇こそ枯れない花が向きます。

施設にいる家族のもとへ花を送る場合の注意点は老人ホーム・介護施設にいる家族へ花を贈るときにまとめています。置き場所や水やりの制約がある点は、留守がちな家と共通します。

よくある質問

初盆の花はいつ届ける?

盆入りの前日までに届いている状態にします。8月盆なら8月12日まで、7月盆なら7月12日まで。お盆は宅配便が混み合うので、二日前の到着指定にしておくと余裕が持てます。

新盆ののしの書き方は?

表書きは上段に「御供」、下段に氏名を書きます。弔事の掛け紙は「のし」が印刷されていないものを使い、水引は結び切り、表書きは上段に「御仏前」「御供物」「御供」、下段に氏名とされています(All About)。水引の色は関東が黒白、関西は四十九日法要から黄色を使うとされているので、義実家の地域に合わせてください。

表書きは「御供」と「御仏前」どっち?

花に添えるなら「御供」が選びやすい表書きです。どちらも弔事の掛け紙の表書きとして挙げられていますが(All About)、「御仏前」は現金を包むときにも使われる言葉なので、品物に添えるなら「御供」のほうが迷いません。地域と宗派で違いが出るので、迷ったら義母か菩提寺に確認してください。

初盆の花の相場はいくら?

初盆の花の相場を示す公的な統計はありません。金額から決めるより、義実家が例年どのくらいのものを供えてきたかに合わせるのが確実です。「去年はどのくらいのものを用意されましたか」と義母に聞けば、大きさと花の種類で答えが返ってきます。

造花をお供えしてもいい?

宗派によります。浄土真宗本願寺派は「とげ花、悪臭花、毒花、造花は避けましょう」と公式に案内しています(浄土真宗本願寺派)。仏壇や盆棚は宗派の作法に従い、造花は玄関や客間など作法の定めがない場所に使うと、角が立ちません。

お墓に造花を置いてもいい?

墓地の管理者次第です。秋田市は市営墓地について「造花についても状況により片付けます」と案内しています(秋田市)。禁止とは書かれていませんが、置きっぱなしは前提にしないほうが無難です。お盆の間だけ供えて16日に持ち帰る形が安全です。

お盆の仏花の交換はいつする?

生花なら傷んだ時点で入れ替えます。東京の8月は日最高気温の平均が31.3℃(気象庁)で、水替えは毎日必要になります。造花なら期間中の入れ替えは不要で、16日の片づけまでそのまま飾れます。

新盆の法要の準備は何から始める?

今年が初盆にあたるか、7月盆か8月盆か、宗派、法要の日時、花を誰が用意するか。この五つを義母に確認するところから始めます。初盆・新盆は四十九日(満中陰)の忌明け後にはじめて迎えるお盆のことなので(天台宗)、忌明けの時期で今年にあたるかが決まります。用意するものも宗派で変わり、浄土真宗本願寺派は盆棚・精霊棚を用いないとしています(浄土真宗本願寺派)。

お盆の花は何本?

本数の決まりはありません。供え方は宗派と家の習わしで違うので、仏壇の形に合わせてください。浄土真宗本願寺派は蝋燭立・香炉・花瓶の三具足を基本としています(浄土真宗本願寺派)。義実家で例年どう供えているかを見るのが確実です。

初盆の法要は何日に行う?

法要の日は菩提寺の都合で決まります。お盆の期間は7月13〜16日または8月13〜16日が多いとされていますが(天台宗)、そのどの日に来ていただくかは寺院次第。何日の何時かを必ず確認してください。花の手配は、この日付が決まってから動かすと無駄がありません。

お盆の花はいつ片づける?

16日の夕方以降に片づけます。生花は外して処分し、造花はほこりを払って保管します。墓前に供えたものは、持ち帰りを求める墓地が多いので、その日のうちに回収してください。

翌年も同じ花を使っていい?

造花であれば、ほこりを取って形を整えれば翌年も使えます。一周忌や三回忌と法要が続く家では、同じものを出し入れする形が実際的です。色が抜けてきたり花びらが欠けたりしたら替えどき。直射日光と雨は退色と色落ちの原因になるので(横浜ディスプレイミュージアム)、室内で保管すれば長く持ちます。

まとめ

初盆の花は、13日に飾って16日に外すまでの四日間が勝負です。届いた日ではなく、親戚が集まる法要の日にいちばんきれいであること。東京の8月は日最高気温の平均が31.3℃という条件なので、生花で四日間を持たせるには逆算が要ります。

新盆の法要の準備として確認する順番は、今年が初盆か、7月盆か8月盆か、宗派、法要の日時、花は誰が用意するか。この五つが埋まれば手配は決まります。仏壇と盆棚は宗派の作法が優先で、浄土真宗本願寺派は造花を避けるよう案内しています。墓前は墓地の管理者の運用を確認。玄関や客間は作法の定めがなく、水のいらない花が向きます。新盆ののしの書き方は、表書きが「御供」、掛け紙はのし無しの結び切り。盆入り前日までに届ける。お盆の仏花の交換は生花なら傷んだ時点で、16日に外して、造花はほこりを取ってしまう。

初盆の花の相場を示す公的な数字はありません。義母が例年供えている物に合わせれば、多すぎも少なすぎもしない形になります。確認する相手は義母と菩提寺。聞いたほうが、黙って間違えるより確実です。

お花でござるは、お供え・仏壇用のリースのご相談を受けています。色合いや大きさの希望を伝えていただければ、ご予算に合わせてご提案します。カスタムオーダーのご相談は無料。フォームのほか、InstagramのDMからもどうぞ。