ソラフラワーの価格帯と買う前に見るべき点。安いものと高いものは何が違うのか
同じバラ型のソラフラワーでも、1輪あたり数十円のものもあれば、値段が何倍もする花もあります。遠目にはどちらも同じ白いバラ。違いは、花びらの縁や花芯、裏側を近くで見たときに出てきます。
ソラフラワーは値段の幅が広く、相場の見当がつけにくい花材です。しかも買い方は、ほとんどの方が通販。実物に触れないまま品質を見極めなくてはいけません。
薄いシートで作られた花は縁が波打ちやすく、擦れると白いささくれが出やすくなります。厚みのある花は縁までしっかりしていて、軽く押しても形が戻りやすい。この「戻ってくる感じ」があるかないかで、リースにしたときの持ちが変わります。
お花でござるはアーティフィシャルフラワーのリース専門店ですが、ソラフラワーも花材として仕入れ、リースに組み合わせています。この記事では、ソラフラワーの値段の差がどこに出やすいのか、通販で買うときに何を確かめればいいのかをお話しします。
そもそもソラフラワーって何?という方は、先に「ソラフラワーとは?造花・ドライフラワーとの違い」を読んでいただくと、この記事がすっと入ってくると思います。
安いソラフラワーと高いソラフラワーの品質差を見分ける4項目
ソラフラワーは、湿地に生えるマメ科の植物ソラの茎の髄を薄くシート状に剥き、職人が手で花のかたちに成形した天然素材の花です。つまり品質は「シートの質×職人の腕」でほぼ決まります。値段の差が出るポイントは、大きく4つ。
花びらの厚み — 光にかざしたときの透け方
一番分かりやすい差が、シートの厚みです。
薄いシートで作られた花は、花びらを光にかざすと向こう側が透けます。透けること自体は天然素材の味でもあるのですが、問題は強度。薄いシートは乾燥した室内で反り返ったり、縁から欠けたりしやすくなります。
高価格帯品のシートは厚みが均一で、光にかざしても中心から縁まで透け方にムラがありません。指で軽く曲げると、ごく薄いなめし革のようにしなる。この「しなり」があるものは、長く飾っても縁が欠けにくい傾向があります。
ソラフラワーは壊れやすい、という印象を持たれがちですが、厚みのあるシートで丁寧に作られた花は、思いのほかしっかりしています。壊れやすさの多くは、薄いシートで作られた花から来ていると考えられます。
成形と接着 — 花芯まわりの仕上げ
ソラフラワーは花びらを1枚ずつ手で貼り重ねて作ります。だから作り手の丁寧さが、そのまま耐久性になります。
品質の差が出やすいのは、花びらの付け根、つまり花芯まわりです。安価品は接着剤の量が多すぎたり少なすぎたりして、付け根に黄色い接着剤のかたまりが見えたり、逆に軽く振っただけで外側の花びら1枚がぽろっと落ちたりします。
高価格帯品は、花芯を覗き込んでも接着剤がほとんど見えません。花びらの重なりが自然な螺旋を描いていて、1枚ずつの角度が揃っている。花びらを1枚ずつ手で重ねる手間が、そのまま値段の差になっています。
染色ムラ — 縁の色だまり
染色ソラフラワーの品質差は、花びらの「縁」に出ます。
染色が雑なものは、縁に染料が溜まって濃い色の輪郭線ができることがあります。ピンクのはずが、縁だけ赤黒い。1輪なら気にならなくても、リースに10輪並べると全体がくすんで見える原因になります。
丁寧に染められたものは、縁から中心へのグラデーションがなめらかで、色だまりがありません。無染色の生成り色のまま仕上げたものは、そもそも染色リスクがないので、迷ったら無染色を選ぶのもひとつの手です。
香り付きの商品 — 開封直後の強さだけで選ばない
ソラフラワーは香りを含ませてディフューザーとして売られることも多い素材です。ここにも品質差がはっきり出ます。
香り付きの商品は、開封した直後の香りが強いほど良いとは限りません。香りの持ちは、含ませた香料の種類と、飾る場所の風通しや室温で大きく変わります。
香料の中身は商品説明に書かれていないことも多く、写真からは判断できません。香りの好みがはっきりしている方や、猫など精油に注意が必要な動物と暮らしている方は、無香のものを選んで、必要なら後から自分で香りを足すほうが確実です。
ちなみにソラフラワーは無香のものに好きな精油を垂らして使えるので、香りは後から自分で選ぶという楽しみ方もあります。詳しくは「ソラフラワーでアロマを楽しむ方法」にまとめています。
ソラフラワーの値段の決まり方
花材単体・完成品・ディフューザーの値段の差
ソラフラワーの商品は、花材単体、リースなどの完成品、香り付きのディフューザーの3つに大きく分かれます。どれも値段の幅が広く、その差の中身は次のとおりです。
| カテゴリ | 値段の差が出るところ |
|---|---|
| 花材単体(1輪) | シートの厚み・花びらの枚数・成形の精度 |
| 完成品(リース・アレンジ) | 花材の質に加えて、デザインと組み上げの手間 |
| ディフューザー | 香料の種類、器や花材のグレード |
同じ「ソラフラワーのリース」という商品名でも、中身の花材グレードで数倍の開きがある。相場が分かりにくいと言われるのは、この見えない中身の差が原因です。
「大きさの割に手頃」と言われる理由と、その落とし穴
ソラフラワーは同じ大きさの生花やプリザーブドフラワーと比べると、たしかに手頃です。原料が水辺の草で、軽くて送料も抑えやすいからです。
ただ、ここに落とし穴があります。「大きいのに安い」を最優先で選ぶと、薄いシートを大きく広げただけの花に当たりやすいんです。大輪なのに軽すぎて頼りない、縁がすぐ欠ける、という不満は、このパターンで起きやすくなります。大きさと値段のバランスに惹かれたときほど、これから紹介するチェックポイントを一度見てほしいんです。
ソラフラワー通販の目利きチェックリスト
ソラフラワーは通販で買う方が大半だと思います。実物を触れない通販でも、品質を見分けるポイントはあります。
商品写真で確認できる3箇所(花芯・花びらの縁・裏側)
まず花芯。拡大写真で花芯を見て、接着剤の黄色いかたまりや繊維の毛羽立ちが見えないかを確認します。花芯の処理が丁寧な商品は、他の工程も丁寧です。
次に花びらの縁。染色品なら、縁に濃い色だまりの線が出ていないか。無染色なら、縁がささくれて白く毛羽立っていないか。
最後に裏側。良心的なお店ほど、花の裏側やワイヤーの処理まで写真を載せています。正面のイメージ写真1枚だけの商品ページは、判断材料が足りないと考えたほうが安全です。
商品説明文で見るべき記載
説明文では3点をチェックします。「ソラフラワー」の名前でも、キャッサバ由来の素材で作られた製品があると紹介されているので、原料にこだわるなら素材表記も見ておきましょう。ソラ(ウォーターヒヤシンスやウッドと混同されていないか)という素材名の明記、花のサイズが直径何センチと数字で書かれているか、染色の有無です。とくにサイズは要注意。写真は大きく見えるのに、届いたら直径4センチだった、というのは通販でよくあるすれ違いです。
「ハンドメイド」「一点ずつ手作業」という記載は、天然素材ゆえの個体差の予告でもあります。これを味と受け取れるかどうかも、購入前に考えておきたいところです。
届いてから最初に確認すること
届いたら、まず箱の中で花びらが外れていないかを確認します。手作業で貼り重ねた花なので、輸送中に花びらが外れることがあります。木工用ボンドをつまようじの先に少量取って貼り戻せば直るので、慌てなくて大丈夫。ただし花ごと崩れているような場合は、写真を撮ってすぐお店に連絡してください。
匂いも初日に確認を。無香のはずなのに強い溶剤臭がする場合は、品質に問題がある可能性があります。
リース専門店から見たソラフラワーの花材としての実力
軽さがリース向きな理由 — 玄関ドアへの負担
リース専門店として言わせてください。花材としてのソラフラワーの最大の武器は、軽さです。
直径30センチのリースでも、ソラフラワー主体なら片手でひょいと持てる軽さに仕上がります。これが玄関ドアに飾るときに効く。マグネットフックや粘着フックは耐荷重との勝負なので、リース自体が軽いほど落下の心配が減ります。賃貸やマンションのドアに傷をつけない飾り方は「玄関ドアにリースを飾る方法」で詳しく解説していますが、軽い花材を選ぶことも立派な落下対策なんです。
アーティフィシャルフラワーとの組み合わせ方
ソラフラワー100%のリースは、生成りの色が上品な一方、単調になりやすい面もあります。お花でござるでは、発色と立体感の出るアーティフィシャルフラワーを主役に、ソラフラワーの柔らかな質感を差し込む構成をよく作ります。人工素材の中に天然素材が1点入るだけで、リース全体がふっと柔らかくなる。この組み合わせは両方の花材を扱う店だからこそおすすめできる使い方です。
屋外玄関での耐性 — 弱点と対策
正直に書きます。ソラフラワーは水に弱いです。雨に濡れるとシートがふやけ、乾いても波打ちや染料のにじみが残ることがあります。
だから雨が直接当たる屋外の玄関には、ソラフラワー主体のリースはおすすめしません。室内側のドアや、室内の壁飾りとして使うのが安心です。屋外に飾りたい場合は、耐候性のあるアーティフィシャルフラワー主体のリースを選んでください。長持ちさせるお手入れのコツは「ソラフラワーのお手入れ方法」にまとめています。
素材別の比較 — ソラ・アーティフィシャル・ドライ・プリザーブド
「枯れない花」の4素材を、リースに使う視点で整理します。
| ソラフラワー | アーティフィシャル | ドライフラワー | プリザーブドフラワー | |
|---|---|---|---|---|
| 素材 | 天然(植物の髄) | ポリエステル等 | 天然(乾燥花) | 天然(特殊加工) |
| 重さ | とても軽い | やや重い | 軽い | 軽い |
| 水濡れ | 弱い | 強い | 弱い | 弱い |
| 色の印象 | 生成り・淡色 | 発色自在 | くすみ系 | 鮮やか |
| 香り | 精油を含ませられる | なし | 花により残る | なし |
| 目安の寿命 | 1〜2年以上 | 数年以上 | 半年〜1年 | 1〜3年 |
| 価格感 | 手頃 | 中程度 | 手頃 | 高め |
香りを楽しみたいならソラ、屋外や長期ならアーティフィシャル、鮮やかさならプリザーブド。適材適所で花材を組み合わせるのが、リース専門店としての答えです。
ソラフラワーの定番モチーフと花言葉
ソラフラワーは職人の手で成形するため、いろいろな花のかたちで作られます。定番モチーフと、その花言葉をまとめました。
| モチーフ | 花言葉 | 合う場面 |
|---|---|---|
| バラ | 「愛」「美」 | 結婚祝い・記念日 |
| ダリア | 「華麗」「感謝」 | お礼・目上の方への贈り物 |
| あじさい | 「家族の絆」 | 新築祝い・家族への贈り物 |
| ガーベラ | 「希望」「常に前進」 | 開店祝い・応援の気持ち |
| マム(菊) | 「高貴」「長寿」 | 長寿祝い・和風の空間 |
ソラフラワーは花言葉に加えて「天然素材なのに枯れない」という物語も添えられるので、贈り物との相性が良い素材です。用途別の選び方は「ソラフラワーはギフトに最適?」で詳しく紹介しています。
よくある質問
Q. 安いソラフラワーを買ってしまったら、もう長持ちしませんか?
A. 工夫の余地はあります。直射日光と湿気を避けて飾るだけで、劣化のスピードはかなり変わります。縁が欠けはじめた花は、リースの下側や奥に配置替えすると目立ちません。ただし花びらの厚み自体は変えられないので、次に買うときはこの記事のチェックポイントを思い出してください。
Q. 値段の高いソラフラワーなら屋外でも大丈夫ですか?
A. 値段に関係なく、雨に直接濡れる場所は避けてください。水への弱さはソラという素材そのものの性質で、高価格帯品でも変わりません。軒下でも湿気は避けられないので、室内に飾るのが安心です。
Q. 染色と無染色、どちらが長持ちしますか?
A. 無染色のほうが安心です。染色品は日光による退色と、湿気による色にじみのリスクが加わります。染色品を選ぶなら、縁に色だまりのない丁寧な染めのものを。
Q. リースにしたい場合、花材から自分で選べますか?
A. お花でござるでは、カスタムオーダーでご希望の花材や色をうかがってお作りしています。「ソラフラワーを入れたい」といったご相談も歓迎です。予算に応じて花材の構成をご提案しますので、お気軽にどうぞ。
まとめ — 触れない通販だからこそ、見るべき場所を知っておく
安いソラフラワーと高いソラフラワーの品質差は、花びらの厚み、成形と接着、染色、香料の4つに集約されます。このうち花芯と縁と染色は、通販の商品写真からでもある程度確かめられます。
同じバラ型でも、近くで見れば品質の差は分かります。値段と大きさに、花芯と縁と裏側の3箇所を足して見る。この習慣が、通販でのソラフラワー選びをきっと変えてくれます。
リースとしてのソラフラワーの魅力と選び方は「ソラフラワーリースの魅力と選び方」でも詳しく解説しています。あわせてどうぞ。

大手銀行員や学童保育所指導員、情報新聞紙の記者兼編集者、都内にある造花専門店での受付など、さまざまな業種に勤務。
現在は2児の母をやりながら、アーティフィシャルフラワーを使用したリースを作り、イベント出展やネット販売しています。
【保有資格】
・フラワーデコレーター2級ライセンス
・保育士

